御園生崇男

御園生 崇男（みそのお たかお）

御園生 崇男（1916年1月16日 - 1965年7月10日）は、山口県防府市出身のプロ野球選手であり、投手、コーチ、監督に加えて、解説者や評論家としても広く知られている。彼は日本プロ野球の歴史において、シーズン無敗を達成した2人目の選手でもあり、その活躍が後の世代へ与えた影響は大きい。

来歴

1916年に山口県防府市に生まれた御園生は、山口県立山口中学校で野球に没頭し、1933年には第10回選抜中等学校野球大会に出場する経験を積んだ。その後、関西大学に進学し体育会野球部に在籍するも、名投手としての名声を築く前に中退し、1936年には大阪タイガース（現在の阪神タイガース）に入団する。

入団初年度から主戦投手として活躍し、1936年5月27日の阪急軍戦で初勝利を収めた。続く1937年秋季シーズンでは15試合に登板し、11勝無敗という驚異的な成績を残し、タイガースの初優勝に寄与した。彼はこの年において、1936年の景浦將に倣い、無敗での勝率を達成し、プロ野球史上2人目の快挙となった。御園生は、翌春も連勝を重ね、18連勝に達するが、19連勝を目指した試合で敗北を喫する。しかし、その後4連勝を挙げてシーズンを締めくくり、再度最高勝率のタイトルを獲得した。

1940年には応召して入営することとなり、一時的にチームを離れるが、1941年には復帰し、1942年からは職業野球東西対抗戦にも出場した。第二次世界大戦によって1944年シーズンは中断されたが、1946年にプロ野球が再開されると御園生はタッグを組み再度タイガースのユニフォームを着用することとなる。1947年には、通算100勝を達成し、その年は最高勝率を記録、合計18勝を挙げた。

1951年に現役を引退した後は、一軍の投手コーチや二軍監督を務め、若い選手たちの指導に当たった。1954年には監督候補として名前が挙がることもあった。解説者としては、ラジオ関西とデイリースポーツで活動し、アマチュア野球の評論も行っていた。彼は1965年に肺結核により亡くなるまで、様々な形で野球界に貢献し続けた。

人物・エピソード

御園生は投手ながらもその俊足を活かして打者としても活躍した。規定打席には達しなかったものの、一塁手や外野手として506安打を記録し、87盗塁も達成している。特に1950年には内野手としての登録も経験した。彼は速球投手である一方、制球力に優れた粘り強い投球が特徴であり、シュートを得意とする選手だった。

性格は温厚で愛妻家であり、後輩からも尊敬される存在だったという。また、当時としては珍しくゴルフを楽しみ、麻雀も嗜んでいた。御園生のトレードマークはロイド眼鏡であり、そのスタイルから「銀行員」と呼ばれるほど落ち着いた印象を持った選手であった。彼の名前が示す通り「御公家様の先祖を持つ」という噂が流れることもあったが、彼の実際の人柄はいたって地味で温厚であった。彼の影響を受けた多くの選手たちが、敬愛し続けているのはその人間性の賜物である。

詳細情報

御園生のご業績は、最高勝率3回（1937年秋、1938年春、1947年）という記録を持ち、職業野球東西対抗戦にも4回選出されるなど、確かな実力を示している。彼の背番号は過去に15、11などを使用し、球団名の変更に寄り添って選手生活を続けた。彼の業績は後に続く野球選手にとって、素晴らしい指標として残ることでしょう。

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