御坊南海バス

御坊南海バスについて

御坊南海バスは和歌山県の御坊市にかつて存在したバス会社です。この会社は南海グループに属し、2020年に熊野交通に吸収され、「熊野御坊南海バス株式会社」と名を変えました。但し、合併後も事業内容に大きな変更はなく、車両のロゴやカラーリングもそのまま使用されることとなりました。

設立から合併までの歴史

御坊南海バスは1984年に南海白浜急行バスから分社化して設立され、同年10月1日に営業を開始しました。主な事業は乗合バスや貸切バスであり、観光バス業務にも力を入れていました。特に大阪府岸和田市内に営業所を持ち、観光バスにも「NANKAI」のロゴをあしらった車両を使用していました。

さらに御坊南海バスは、南海の鉄道路線が運休となった際の代行バスを運行したり、企業向けの送迎サービスを提供するなど、法人向けの事業にも積極的でした。合併前においても、実質的な南海グループ全体の貸切バス部門として機能していました。

合併の経緯

2020年1月1日、御坊南海バスは熊野交通に吸収され、同社の御坊支社となりました。合併時点で、他の南海グループのバス路線と直接接続していなかったため、移行もスムーズに行われたと言えます。合併後の熊野御坊南海バスでは、2020年4月からQRコード決済の「PayPay」が導入され、利便性が向上しました。

観光や地域密着の運行路線

御坊南海バスの運行路線には、主に一般路線として「日の岬パーク線」や「印南線」、「阿尾線」などがあり、多くの人々に利用されてきました。特に観光シーズンには観光名所へのアクセスが重視され、地元住民からも支持を受けていました。また、廃止された路線に関しても、地域住民の要望に応じた変更が行われていました。

車両の特徴と運行スタイル

御坊南海バスの車両は、大半が日野自動車製であり、中型車の「レインボー」が主流でした。この会社は独自の塗装スタイルも確立しており、典型的には「Nカラー」と呼ばれる緑地に白帯のデザインが採用されていました。また、ノンステップバスなども取り入れ、バリアフリーに配慮した運行も行っていました。

南海バスとの関係

御坊南海バスは、南海グループの一員でありながら、独自の運営形態を持っていました。南海電鉄との直接的な資本関係はなかったものの、同じグループとして中古車両を受け渡すなどの連携を図っていました。御坊市内での運行においては、一般的に「南海バス」と言えば御坊南海バスを指すことが多く、その名は地域に深く根付いていました。

結論

御坊南海バスは、地域密着型の交通サービスを提供していた会社で、多くの地元住民や観光客に愛されていました。熊野交通との合併後も、そのサービス精神は受け継がれ、地域の交通の要として機能し続けています。

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