御所神社 (つるぎ町)

御所神社について

御所神社は、徳島県美馬郡つるぎ町にひっそりと佇む神社です。創建年代ははっきりとは分かっていませんが、この地で勢力を誇った古代豪族、忌部氏の流れを汲む氏族である三木氏によって祀られたとされています。この神社は、かつて式内社である忌部神社の有力な候補地の一つとして、長い間論争の的となっていました。しかし、最終的には徳島市に忌部神社が建立されることになり、御所神社は旧社地として保存され、後に徳島市の忌部神社の摂社となりました。

歴史

御所神社の歴史は、その創建が不詳であることから、多くの謎に包まれています。しかし、この地が忌部氏と深く関わっていたことは確かで、三木氏がこの地を拠点としていたことから、忌部神社の分祀、あるいはその影響を受けて創建されたと考えられています。この場所は、旧貞光町の山間部、御所平と呼ばれる場所に位置しており、古代から神聖な場所として崇められてきたことが伺えます。

明治時代に入り、式内社・忌部神社の論社として、吉野川市の山崎忌部神社との間で激しい論争が繰り広げられました。その結果、1881年（明治14年）に御所神社のある場所が忌部神社の旧社地と確定されました。しかし、山崎忌部神社側からの反発は収まらず、最終的に太政官は、徳島市二軒屋町に新たな社地を定めるという妥協策を打ち出しました。これにより、御所神社は旧社地として保存されることになり、その後、徳島市の忌部神社の摂社として、その歴史を今に伝えています。

祭神

御所神社の祭神は、天日鷲命（あめのひわしのみこと）です。天日鷲命は、日本の神話に登場する神様で、古くから信仰を集めてきました。

吉良のエドヒガン桜

御所神社の境内には、樹齢400年以上と推定される見事なエドヒガン桜がそびえ立っています。この桜は、「吉良のエドヒガン桜」として知られ、にし阿波お勧めビューポイント100選にも選定されています。その美しい姿は、多くの人々を魅了し、訪れる人々を温かく迎え入れてくれます。

このエドヒガン桜は、幹周りが約4.5m、樹高が約20mにも達する巨木です。地上1.5mの高さから三本の幹に分かれ、大きく枝を広げているのが特徴です。春になると、淡いピンク色の美しい花を咲かせ、その姿はまさに圧巻です。1971年（昭和46年）2月23日には、徳島県の天然記念物に指定され、その価値が認められています。

アクセス

御所神社へのアクセスは、以下の通りです。

鉄道：JR徳島線「貞光駅」より車で約20分。
自動車：徳島自動車道「美馬インターチェンジ」より車で約25分。

まとめ

御所神社は、歴史と自然が豊かに調和した、静かで心安らぐ場所です。創建以来、この地を見守ってきた御所神社と、樹齢400年を超えるエドヒガン桜の姿は、訪れる人々に深い感動を与えてくれるでしょう。神社を訪れる際には、ぜひその歴史と自然に触れて、心静かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索