御杖村

奈良県宇陀郡御杖村：静寂と自然に抱かれた山里の暮らし

御杖村は、奈良県宇陀郡に位置する、自然豊かな村です。宇陀郡曽爾村と同様に、奈良県の南部、より具体的には南東部に属し、曽爾高原の南側に広がる山間地帯に位置しています。名張川の源流を擁し、古くから伊勢本街道が通る交通の要衝でもありました。

気候と地形

山々に囲まれた御杖村は、冷涼で雨の多い気候が特徴です。村内には学能堂山、三峰山、古光山などの山々が連なり、桜峠などの峠道も存在します。主要な河川は名張川です。

歴史と文化

古くは『和名抄』に、隣接する曽爾村と共に「宇陀郡漆部郷」として記載されており、長い歴史を持つ地域です。明治22年（1889年）の町村制施行により、菅野村、神末村、土屋原村、桃俣村が合併して御杖村が誕生しました。平成期には、近隣の自治体との合併協議が行われましたが、最終的には単独村として現在に至っています。

村内には、菅野城跡などの歴史的遺構や、安能寺、真興寺、東禅寺、林泉寺といった寺院、そして御杖神社、四社神社、高角神社などの神社が点在し、歴史と文化が息づいています。

人口と経済

2009年4月1日時点での人口は約2,244人です。近年は人口減少傾向にあります。経済は、農業と林業が中心です。奈良県農業協同組合（JAならけん）みつえ支店が地域農業を支えており、村内には杉などの建材店や、御杖村森林組合もあります。金融機関としては、JAならけんみつえ支店（菅野）の他、郵便局も設置されています。

行政とインフラ

村の行政は村長と村議会によって行われています。警察は奈良県警察桜井警察署御杖駐在所、消防は奈良県広域消防組合宇陀消防署東分署が管轄しています。郵便は御杖郵便局（集配局）と神末簡易郵便局が担っています。

教育と生活

教育施設としては、御杖村立御杖中学校、御杖村立御杖小学校、御杖村立御杖保育所があります。交通面では、村内には鉄道は通っておらず、最寄りの駅は近鉄大阪線の榛原駅または名張駅になります。バス路線としては、御杖コミュニティバス「御杖ふれあいバス」や津市コミュニティバスが運行されており、近鉄大阪線方面と接続しています。また、冬季には霧氷バスも運行されます。道路網は国道368号、国道369号、奈良県道31号榛原菟田野御杖線、奈良県道783号土屋原飯高線などが整備されています。道の駅伊勢本街道御杖も設置されています。

観光と名所

御杖村は、豊かな自然に恵まれた観光地でもあります。三峰山などの山岳景観、みつえ青少年旅行村、みつえ高原牧場（大和牛飼育）といった観光スポットがあります。丸山公園の桜も有名です。みつえ温泉「姫石の湯」や宿泊施設「三季館」なども観光客に人気です。特産品としては、奈良県を代表するブランド牛である大和牛が挙げられます。

御杖村は、静寂と自然に包まれた、ゆっくりと時間を感じられる魅力的な村です。歴史と文化、そして豊かな自然に触れ、穏やかな時間を過ごしたい方におすすめです。

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