復員庁

復員庁の概要

復員庁（ふくいんちょう）は、日本の昭和21年に設立された組織で、主に陸海軍の復員および関連業務を管理しました。この機関は内閣総理大臣の直轄下にあり、組織の長は国務大臣によって任命された総裁が務めました。

設立の経緯

復員庁は1946年6月15日に、第一復員省と第二復員省の統合によって誕生しました。内部には第一復員局と第二復員局の二つの局が設けられ、前者は旧陸軍に関する業務を担当し、後者は旧海軍に関わる業務を扱いました。設立当初から多くの復員作業や援護活動が行われましたが、その歴史は短命に終わることになります。

組織の変遷

1947年10月15日、復員庁は廃止されました。第一復員局はその後、厚生省に移管され、1948年には引揚援護院と統合して引揚援護庁が設立されることとなります。一方、第二復員局は内閣総理大臣直属の組織となり、最終的には1948年1月1日に廃止され、その業務は厚生省の引揚援護院に引き渡されました。これにより、日本の復員業務は完全に厚生省によって引き継がれました。援助対象者には、戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者の家族などが含まれました。

復員庁の任務

復員庁の任務は、主に引揚援護、戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族などの支援と、旧陸海軍の残務整理を含むものでした。現在でもこれらの業務は防衛省ではなく、厚生労働省の社会・援護局によって実施されています。具体的には、厚生労働省設置法第3条第2項により、これらの業務は同省の責任とされています。

掃海業務の移管

復員庁が解散する際、日本近海の掃海業務に関しては運輸省海運総局に移管され、その後、海上保安庁や海上自衛隊がこれを受け継ぐ形となりました。こうした業務の移行により、復員庁の設立目的の一部は、その後も他の機関によって引き続き実施されることになります。

組織の構成

復員庁は、国務大臣である復員庁総裁を頂点とし、官房長や各局長がサポートとして機能していました。第一復員局と第二復員局は、それぞれの使命に応じた多くの部署と役職が設置され、担当者たちが業務に従事していました。このように復員庁は、組織的にも厳密に構成されており、多岐にわたる任務を円滑にこなす体制が敷かれていました。

各地方復員局も設置され、これらは各地域での復員作業を実施しました。例えば、横須賀地方復員局、呉地方復員局、佐世保地方復員局などがあり、それぞれの所管区域内で掃海業務や復員業務を担っていました。

最後に

復員庁の設立とその後の変遷は、日本の戦後復員業務の歴史において重要な意味を持っています。短期間での活動の中で、数多くの復員者やその家族を支援する役割を果たしました。現在の支援制度にもその影響が見られることから、復員庁の存在は日本の歴史の一部として忘れてはならないでしょう。

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