復星国際

復星国際（Fosun International Limited）とは

復星国際は、1992年に中国の上海で設立された複合企業であり、投資会社です。復星集団の中核企業として、医薬、不動産、金融、保険など幅広い分野で事業を展開しています。創業者は、郭広昌（グオ・グアンチャン）氏と梁信軍（リャン・シンジュン）氏ら復旦大学の卒業生5名で、当初は調査会社としてスタートしました。

事業の多角化と急成長

設立当初から、復星国際は多角的な事業展開を積極的に進めてきました。製薬事業を始め、不動産開発、金融サービスなどへと事業領域を拡大し、2007年には香港証券取引所に上場を果たしました。特に、保険事業の強化、工業経営、投資、資産運用管理の4つを軸に、中国の経済成長とともに急速な成長を遂げました。2014年にはフォーブス誌が発表した世界の公開会社ランキングで751位にランクインし、そのグローバルな存在感を示しました。

不動産事業の拡大

復星国際の不動産投資及び管理部門である復星地産（Fosun Property）は、中国国内だけでなく、海外の不動産投資も積極的に展開しています。金融、ヘルスケア、カルチャー、観光、物流などを柱とした新都市開発にも力を入れており、中国不動産投資開発業界の大手として広く知られています。

創業者・郭広昌氏の動向

復星国際の創業者であり、CEOを務める郭広昌氏は、「中国のウォーレン・バフェット」とも称されています。しかし、2015年12月には一時行方不明となり、その動向が注目されました。後に、当局の調査に協力していたことが明らかになり、現在は経営に復帰しています。

近年の経営状況と課題

2020年代に入ると、中国の不動産不況や新型コロナウイルス感染症の流行により、復星国際の業績は大きく影響を受けました。2022年6月末時点での負債総額は、6511億5700万元に達し、財務状況の改善が急務となっています。そのため、事業再編や資産の売却を進めている状況です。

日本での展開

復星国際は、東京都港区赤坂に日本事務所を構え、日本企業の買収や合弁事業を積極的に展開しています。特に、高齢者サービス、食品、旅行、製造業関連の分野に関心を寄せています。過去には、星野リゾートトマムを買収し、後に売却するなど、日本国内でも活発な投資活動を行っています。

主な傘下企業

復星国際は、多岐にわたる分野の企業を傘下に抱えています。以下に主な傘下企業を挙げます。

復星医薬: 医薬品の開発・製造・販売を行う。
復星地産: 不動産投資、開発、管理を行う。
復星保徳信人寿: プルデンシャル・ファイナンシャルとの合弁による生命保険会社。
豫園商城: 商業施設。
招金砿業股份有限公司: 採金業。
国薬控股股份有限公司: 中国最大の製薬企業。
上海復地: 中国大手の不動産開発会社。
南京鋼鉄聯合有限公司: 製鉄業。
中国民生銀行: 中国の商業銀行。
完美世界: オンラインゲーム企業。
クラブメッド: リゾートホテル。
フォリフォリ: ジュエリー、アクセサリーブランド。
セント・ジョン: アメリカのニットメーカー。
トム・テイラー: ドイツ系カジュアル衣料ブランド。
メドウブルック・インシュアランス・グループ: アメリカの保険会社。
28 リバティ・ストリート: アメリカのオフィスビル。
シーフォートスクエア シティグループセンター: 日本のオフィスビル。
星野リゾート トマム: 北海道のスキーリゾート。
キロロリゾート: 北海道のリゾート施設。
パラッツォ・ブロッジ: イタリアのオフィスビル。
フィデリダーデ: ポルトガルの保険会社。
デレク: イスラエル最大手の保険会社。
アルマレーザーズ: イスラエルの医療機器メーカー。
シルク・ドゥ・ソレイユ: エンターテイメント企業。
トーマス・クック・グループ: 旅行代理店
Restar Games: ゲーム開発会社

まとめ

復星国際は、中国の経済成長とともに発展してきた巨大な複合企業です。医薬、不動産、金融、保険など多岐にわたる事業を展開しており、グローバルな投資活動も積極的に行っています。近年は、不動産不況やコロナ禍の影響を受けていますが、事業再編や資産売却を進め、経営の安定化を目指しています。日本においても、事業展開を積極的に進めており、今後の動向が注目されます。

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