復権

復権とは

復権とは、一度失われた権利や資格を回復させることを意味します。主に、以下の二つの状況において用いられます。

1. 破産における復権

破産手続開始の決定を受けた破産者は、一定の法律上の資格制限を受けます。これは、破産者の財産を適切に管理し、債権者への公平な弁済を確保するための措置です。しかし、破産者がその後、誠実に債務整理手続きを進めることで、この資格制限から回復することが可能です。この資格制限からの回復を「復権」と呼びます。

破産法には、復権の方法として、以下の二つが定められています。

当然復権

破産法第255条に定められているもので、破産手続の終結、または免責許可の決定が確定した場合に、自動的に資格制限が解除されるものです。特別な手続きや裁判所の判断を必要とせず、法律の規定により当然に復権の効果が生じます。これにより、破産者は、破産前と同じように各種の権利を行使できるようになります。

裁判による復権

破産法第256条に定められているもので、破産者が自ら裁判所に復権の申し立てを行い、裁判所の決定によって資格制限が解除されるものです。免責許可の決定を受けられなかった場合など、当然復権の要件を満たさない場合に、裁判所の判断により復権が認められることがあります。

2. 恩赦における復権

恩赦とは、有罪判決を受けた者に対して、刑罰権の全部または一部を消滅させ、刑罰の効果を消滅させる制度です。恩赦の一種として、復権があります。これは、有罪判決により法律上の資格制限を受けている者が、その制限から回復することを意味します。

有罪判決を受けた場合、特定の職業や資格が制限されることがあります。恩赦による復権は、これらの資格制限を解除し、有罪判決を受ける前と同じように社会生活を送ることを可能にするものです。

まとめ

復権は、破産や犯罪によって制限された権利や資格を回復させる制度であり、社会復帰を支援するための重要な仕組みです。破産における復権は、破産者の経済的な再建を、恩赦における復権は、有罪判決を受けた者の社会復帰を促進します。これらの制度は、一度過ちを犯した人が再び社会の一員として活躍できるようにするための、社会的なセーフティネットとしての役割を担っています。

参考情報

* コトバンク『復権』

これらの情報は、復権について理解を深める上で役立つでしょう。

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