徳大寺公英

徳大寺公英（とくだいじ きんひで）は、1919年11月2日に生まれ、没年は不詳です。彼は美術評論家として知られるとともに、旧公爵家である徳大寺家の32代当主でもありました。戸籍上の表記は「德大寺」となっています。

来歴

徳大寺公英は、徳大寺実厚の長男として生まれました。母は伯爵松平直之の娘・米子です。子に徳大寺実啓がいます。東京府東京市（現在の東京都）で幼少期を過ごし、1945年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。その後、学習院大学で講師を務める傍ら、ブリヂストン美術館の嘱託としても活動しました。

美術評論家としての活動は多岐にわたり、「原色版美術ライブラリー（世界美術）」（みすず書房）第18巻の解説を執筆するなど、精力的に執筆活動を展開しました。また、文芸春秋1968年4月号に掲載された「藤田嗣治--その愛の履歴」をはじめ、数多くの美術評論を執筆し、美術界に大きな影響を与えました。

人物

武蔵野美術大学名誉教授の藤枝晃雄は、徳大寺公英から若い頃に「美術だけでなく、様々なことを学ぶように」という助言を受けたことを述懐しています。このエピソードから、徳大寺公英が美術に対する深い造詣に加え、幅広い知識と教養を持ち合わせていたことが伺えます。

親族

徳大寺公英の親族には、華麗なる血筋が名を連ねます。母である米子は、伯爵松平直之の娘です。妹の嬉子は伯爵大谷光照の夫人であり、弟の斉定は賀陽宮恒憲王の第一女子・美智子女王を妻に迎えました。子には、長男の徳大寺実啓（1946年3月9日 - ）と、次男の徳大寺明（1947年 - 1979年）がいます。

系譜

徳大寺家は、東山天皇の男系十世子孫にあたります。東山天皇の孫である閑院宮直仁親王の子で、鷹司家を継いだ鷹司輔平の男系後裔という、皇室とも縁の深い家柄です。

徳大寺公英は、美術評論家としての才能に加え、旧公爵家という家柄、そして華麗なる親族構成からも、特筆すべき人物であったと言えるでしょう。

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