徳姫

徳姫（織田信長の娘）

徳姫（とくひめ）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて生きた女性で、織田信長の長女として知られています。彼女の生涯は、政略結婚、家族間の確執、そして悲劇的な結末へと向かう、波乱に満ちたものでした。

生涯

永禄2年（1559年）に織田信長の長女として尾張国に誕生しました。母は生駒吉乃とされています。永禄10年（1567年）には、徳川家康の嫡男である松平信康に嫁ぎ、二人の娘をもうけました。しかし、姑である築山殿との関係は良好とは言えず、また、信康との間にも溝が生じるようになります。

夫婦仲の悪化の要因として、築山殿が信康の側室を迎えたことが挙げられます。これにより、徳姫と築山殿の関係はさらに悪化し、ついには徳姫が父・信長に築山殿と信康の罪状を訴える事態となります。

天正7年（1579年）、徳姫の訴えを受けた信長は、信康に切腹を命じました。これにより、築山殿は殺害され、信康も切腹するという悲劇的な結末を迎えます。この事件については、様々な説があり、真相は আজও明確ではありません。

信康の死後、徳姫は岡崎を離れ、近江八幡などに居住しました。本能寺の変で父と兄を失った後は、織田信雄に保護されましたが、後に豊臣秀吉の人質となり京都に住むことになります。関ヶ原の戦い後は、松平忠吉から所領を与えられ、京都に隠棲しました。

寛永13年（1636年）に78歳で死去し、大徳寺総見院に葬られました。

人物

徳姫は、織田信長の娘として生まれ、政略結婚の道具として利用された側面があります。しかし、彼女自身も、家族間の確執や夫婦関係の悪化に苦しみ、最終的には父に夫の罪を訴えるという行動に出ました。彼女の生涯は、戦国時代の女性の置かれた厳しい状況を物語っています。

徳姫を演じた俳優

岩崎加根子（映画『反逆児』、1961年）
田中美佐子（NHK大河ドラマ『徳川家康』、1983年）
成田恵（NHK大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』、1992年）
久保史緒里（NHK大河ドラマ『どうする家康』、2023年）
* [森永奈緒美])

まとめ

徳姫は、織田信長の娘として生まれ、政略結婚、家族間の確執、そして悲劇的な結末という、波乱に満ちた生涯を送りました。彼女の生涯は、戦国時代の女性の生き方を象徴するものであり、多くの人々に語り継がれています。

彼女の人生は、歴史の荒波に翻弄されながらも、強く生きた一人の女性の物語として、私たちの心に深く刻まれています。

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