徳島市歌

徳島市歌の歴史と背景

概要

「徳島市歌」は、1928年に徳島市により制定された市歌で、作詞は武市恒夫、作曲は幾尾純が手がけました。しかし、1953年には3代目の「徳島市民歌」に統合され、その役目を終えることとなりました。今回は、この市歌の背景や制定までの経緯について詳しく解説します。

徳島市の市制施行と初の楽曲

徳島市は1889年に市制を施行し、1909年には市制20周年を記念して最初の市に関連する音楽、「置市二十年記念祝賀唱歌」が作られました。この曲は河端熊太郎が作詞し、板東幸夫が作曲しました。このように、徳島市の音楽文化の歴史が始まったのです。

市歌の制定経緯

1928年、徳島市は市制40周年を祝うため、恒常的な市歌とそれに伴う曲を作ることに決めました。この際、全国から歌詞と旋律を広く募集しました。募集条件は、市民や児童が歌いやすいものとし、歌詞は二節で四句ずつというものでした。応募総数は49篇にのぼり、その中から市内出身の作品が採用され、続いて旋律の募集が行われました。

選ばれた旋律は奈良県からのもので、同年の10月1日から3日にかけて開催された祝賀イベントで、徳島高等小学校の生徒たちによって初めて演奏されました。このことは、徳島市告示第69号によって公式に認定され、市歌としての運命が始まりました。

徳島市歌のその後

新しい市歌が制定されるまで、徳島市歌は市民に親しまれていましたが、その後、1940年に初代「徳島市民歌」が登場します。作詞は佐藤惣之助、作曲は内田元という新しい名前たちによるもので、当初は市歌と並行して存在していました。しかし、その内容は皇国史観を強く反映していたため、1945年の終戦後は演奏されることはなくなりました。

1948年には新たに2代目の「徳島市民歌」が制定され、この時点でも徳島市歌は存在していましたが、1953年に現行の3代目「徳島市民歌」が制定されてからは、徳島市歌は次第に忘れられることになります。これによって、歴史的には3代の市民歌が存在する中、徳島市歌はその役割を終えました。

まとめ

「徳島市歌」は徳島市の歴史の中で重要な役割を果たし、民間から誕生した市歌としての意味を持っていました。しかし、時代の流れとともに市民歌にその座を譲ることになり、今日ではその存在は薄れているものの、徳島市の音楽文化の一環として語り継がれていくことでしょう。市の記念行事や学校行事においても、この歴史を理解し、未来に引き継いでいく意義があると思います。

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