徳島県道・香川県道106号穴吹塩江線

徳島県道・香川県道106号穴吹塩江線

徳島県道・香川県道106号穴吹塩江線（あなぶきしおのえせん）は、徳島県美馬市の穴吹町三島から香川県高松市の塩江町安原上東を結ぶ県道です。この道は、奈良時代に開設された大瀧寺への修験参道を前身としており、阿讃（あわと讃岐）両国をつなぐ重要な経路として長い歴史を持っています。現代に至るまで、この地域の交通に影響を与えてきたことが特徴です。

歴史

大瀧寺越と呼ばれるこの道は、726年に大瀧寺が開基されて以来、特に平安時代を通じて修験道において重要な意味を持っていました。しかし、標高900メートルにも達することから、交通の難所となり、整備が不十分でした。そのため、江戸時代初期まで重宝されていたものの、次第に他の道に交通が移行していきます。

特に江戸時代中期からは、地域間の商取引が活発化し、相栗峠や清水峠といった新たな道路が整備されることで、物流の流れが変わり始めました。さらに、明治時代には廃仏毀釈によって修験道が禁止されたため、大瀧寺への参道としての役割も減少し、多くの通行者が途絶えました。

現在の状況

現在、穴吹塩江線は26.242キロメートルの長さを有し、そのうち徳島県側で15.369キロメートル、香川県側で11.873キロメートルとなっています。道路状況は一部舗装されているものの、幅が狭くすれ違いができない区間が続くため、通行には注意が必要です。特に徳島県側では広域農道の整備によって1.5～2車線が確保されている区域もあるため、アクセスにおいて工夫が求められます。

また、道中には古くからの巡礼者が存在することもあり、大瀧寺が四国別格二十霊場のひとつであるため、環境に配慮した通行が推奨されています。2018年1月現在では、椛川ダム工事の影響で終点近くが通行止めとなっており、迂回路が設けられています。

まとめ

穴吹塩江線は、阿讃両国を結ぶ歴史的な道としての役割があり、現代においても地元住民や巡礼者に利用されています。そのため、交通の難所が多い一方で、歴史的意義や文化価値を持つ特別な道路でもあることから、将来的にはさらなる整備が期待されます。通行者は道路状況や周辺の案内標識に注意しながら、安全な移動を心がける必要があります。

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