徳川セックス禁止令 色情大名

『徳川セックス禁止令 色情大名』は、1972年に公開された東映製作のエロティック時代劇映画です。監督は鈴木則文、主演は杉本美樹が務めました。本作は、男女の営みを全く知らない徳川家の息女と、女嫌いの独身大名が夫婦となることから始まる騒動を描いています。

物語は、文政7年3月、江戸城で将軍徳川家斉の34番目の娘である清姫の嫁ぎ先が決まらないことから始まります。そこへ、九州唐島藩の独身大名、小倉忠輝が候補に挙がります。彼は女嫌いとして知られていましたが、他に宛がなく、家臣たちは小倉との結婚を早々に決めてしまいます。

恋愛経験のない二人のため、清姫は教育係の藤浪から、小倉は家老の米津から、それぞれ性交について手短に教わります。清姫はお付きの者たちを連れて唐島藩へと向かいます。初夜を迎えた二人ですが、小倉の性交は味気なく、そのことを知った藤浪は、翌朝「姫様との営みを辞退する」と米津を通して宣言します。

小倉の女嫌いを治すため、米津は知人の商人を通じて、小倉に三日三晩、白人の女性サンドラとの性体験をさせ、技術を習得させます。女体の「天国」を知った小倉は、清姫と再び交わりますが、清姫が奉仕することを嫌がったため、サンドラを側室に迎え入れます。

このことで清姫、藤浪、米津から小言を言われた小倉は、自分以外の人間が自由に性の快楽を楽しんでいることに不満を爆発させ、藩内に性交禁止令を発令します。この禁令は身分に関係なく施行され、人々は子作りもできなくなりますが、小倉はサンドラとの快楽に溺れて政を疎かにします。

清姫を不憫に思った藤浪は、サンドラを商人の元へ追い返しますが、怒った小倉は取締りを強化します。混乱に乗じて米津の息子は、藤浪を骨抜きにし、妹と情婦を清姫の教育係にすげ替えます。新たな教育係から性交について教わった清姫は、男女の交わりに興味を抱きます。

ある日、城の前に禁令廃止を求める庶民が押し寄せますが、小倉は聞く耳を持ちません。清姫は、この事態の一因は自分にもあると反省し、小倉と仲直りするため、サンドラを探し出して「男女の交わりで一番大切なのは相手を愛する心」と助言を受けます。

サンドラは禁令を解くよう小倉に訴えようとしますが、家臣と交わったことで処刑されてしまいます。小倉は自分の愚かさに気づき、禁令を廃止します。その夜、清姫は小倉と愛し合い、城下には人々の喜びの声が響き渡るのでした。

本作には、杉本美樹が清姫を、名和宏が小倉忠輝を演じる他、三原葉子、殿山泰司、山城新伍など、豪華なキャストが出演しています。また、挿入歌「ジュテームはサヨナラのはじまり」は、サンドラ・ジュリアンが歌い、映画の雰囲気を盛り上げています。

この作品は、性の欲求や、そこから生まれる人間の滑稽さを、時代劇という舞台で描き出しています。また、性を通じて人間関係や社会問題を深く掘り下げている点が特徴です。エロティックな描写だけでなく、コミカルな展開や社会風刺も含まれており、娯楽作品として楽しめる一本です。

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