徳川光友

徳川光友について

徳川光友（とくがわ みつとも）は、江戸時代前期に知名度の高い大名で、尾張藩の2代藩主である。彼は初名を光義（みつよし）とし、その名義での期間が長い彼の生涯に多くの功績を残している。

生涯の概要

光友は、寛永2年（1625年）7月29日に初代藩主・徳川義直の長男として名古屋で誕生した。母は側室で、名は歓喜院。幼名は五郎八であり、少なからず彼の家族の影響を受けたことが伺える。光友は6歳の時に従五位下に叙任された後、9歳で正四位下へと昇進し、元服を迎えた際には江戸幕府の3代将軍である徳川家光から偏諱を得て光義と名乗った。

その後、彼は多くの重要な役割を担うようになり、1634年には従弟の徳川光貞と共に家光から鷹場を与えられる。

結婚と家督

寛永15年（1638年）、光友は家光の長女である千代姫と婚約し、1639年に結婚した。この結婚は、御祖母の相応院の意向によるもので、光友は彼女を幼い頃から育てていた。彼は1650年に父の死去を受けて家督を継承し、翌年に父の菩提寺として建中寺を建立する。

藩政の発展

藩主としての光友は、藩政の基礎を固めるため多くの改革を行った。承応3年（1654年）には西浜御殿を建設し、1661年には大森寺を建立するなど、家族のための施設を積極的に整えていった。また、寺社奉行制度や評定所を設置し、官制の整備に尽力した。

さらに、財政面での改革にも取り組み、江戸屋敷の拡張や新知の認可などにより、藩の立場を強化していった。一方で、万治3年（1660年）に名古屋城下町で発生した火災や、財政難に頭を悩ませる出来事も多く、藩札を発行したものの成果が上がらず、短期間で廃止することとなった。

藩政の変革と晩年

元禄3年（1690年）には権大納言に叙任され、元禄6年には家督を嫡子の綱誠に譲り、大曽根別邸を建設して隠居生活を送ることになった。彼の晩年は、徳川将軍家の血を引く綱誠に家督を譲り、次男の義昌が庶長子扱いであったことも印象的である。

人物と文化

光友は、武芸や茶道、書道など多くの芸術にも秀でており、特に剣術は柳生厳包から学び、新陰流の第6世を継承したことでも知られる。彼の書は後西院や近衛信尋とともに三筆と称された。また、一時はキリスト教に対して寛容であったが、その後の歴史的背景から弾圧に転じることとなる。

襲封400年を迎えた尾張徳川家の歴史における光友の存在は、藩政の発展や文化の形成に不可欠なものであり、江戸時代の重要な大名の一人であることは間違いない。光友は元禄13年（1700年）に76歳でこの世を去り、多くの偉業を心に刻んだまま歴史の中に残ることとなった。

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