徳渕真利子

新幹線と青春を駆け抜けた女性―元パーサー徳渕真利子さんの物語

徳渕真利子さんは、幼少期から父親の転勤に伴い転校を繰り返す生活を送っていました。その経験から、移動手段である新幹線に特別な興味を持つようになりました。流動的な生活の中、新幹線は安定した唯一の空間だったのかもしれません。

1984年1月生まれの彼女は、日本外国語専門学校ホテル学科を卒業後、名門外資系ホテルに就職します。華やかなホテル業界に憧れを抱いていましたが、現実の仕事は想像と大きく異なっていました。理想と現実のギャップに失望し、彼女は退職を決意します。

新たな道を模索していた徳渕さんは、ある情報誌で東海道新幹線のパーサーの求人広告を目にします。子供の頃から親しんできた新幹線での仕事。それは、彼女にとって運命的な出会いだったと言えるでしょう。2005年1月、彼女はアルバイトパーサーとしてジェイアール東海パッセンジャーズに入社しました。

持ち前の明るさと勤勉さで、彼女は乗客から高い評価を受けました。接客スキルだけでなく、新幹線という特殊な環境下での業務にも迅速に適応し、着実に経験を積んでいきます。そして、入社わずか1年後の2005年12月には正社員として登用され、その年の職場売上成績でNo.1という輝かしい結果を残しました。

彼女のひたむきな仕事ぶりは、世間の注目を集めます。2006年8月13日には、朝日新聞の「天声人語」で紹介され、広く知られる存在となりました。そして、2023年8月20日には、日本経済新聞の「春秋」において、彼女が出版した著書が再び取り上げられました。

2007年2月、徳渕さんは自身の経験を綴った著書『新幹線ガール』をメディアファクトリーより出版しました。本書では、幼少期の転校生活から、ホテル業界での挫折、そして新幹線パーサーとしての成功までの道のりが赤裸々に語られています。単なる仕事紹介にとどまらず、仕事への情熱、そして困難を乗り越える彼女の強い意志が伝わってくる一冊です。その人気は高く、テレビドラマ化もされるなど、大きな話題を呼びました。

徳渕真利子さんの物語は、私たちに多くのことを教えてくれます。困難に立ち向かう勇気、夢を諦めない大切さ、そして何よりも、仕事への情熱の素晴らしさです。彼女の経験は、多くの人々にとって、人生を切り開くための希望となるでしょう。B型らしい、明るく自由奔放な彼女の生き様は、現代社会を生きる人々にとって、大きな勇気を与えてくれるはずです。ショッピングや国内旅行、お菓子作りといった趣味を楽しむ彼女のプライベートな一面も、彼女の飾らない人柄を表しています。新幹線という舞台で、華麗なる人生の幕を上げた彼女の物語は、これからも多くの人々に感動と勇気を与え続けることでしょう。

もう一度検索