徳田和夫

徳田 和夫 (とくだ かずお)

徳田和夫は、1948年に群馬県前橋市で生まれた日本の国文学者であり、学習院女子大学で名誉教授を務めています。彼の研究分野は中世日本の説話やお伽草子、絵巻、芸能、民間説話など多岐にわたります。国文学の専門家として、古典的な文学作品の研究だけでなく、文化的な側面にも深く踏み込んだ議論を展開しています。

略歴

徳田は、國學院大學文学部国文科を卒業後、同大学院文学研究科の博士課程に進学しましたが、後に中退しました。彼は1981年に日本古典文学会賞を受賞し、その後、国文学研究資料館で助手を務めることにより、研究者キャリアをスタートさせました。学習院女子短期大学において講師、助教授を経て、1989年に教授の地位に昇進します。その後、1998年には学習院女子大学の教授に就任し、2019年3月に定年退職後は、名誉教授として活動しています。

著書

徳田和夫の著書は多数存在し、彼の研究成果を広く提供しています。代表的な著作には、1988年刊行の『お伽草子研究』や、1990年の『絵語りと物語り』、および1993年の『お伽草子』があります。また、2018年には『東の妖怪・西のモンスター 想像力の文化比較』を出版し、特に文化の比較に関する新たな視点を提供しました。

さらに、彼は共編や校注も多く手掛けており、1983年の『絵解き台本集』や、1989年から1992年にかけて編纂された『新日本古典文学大系 室町物語集』など、多数の文献や資料を整理・編集することで、日本文学の研究や教育への貢献を続けています。特に、2002年に編纂した『お伽草子事典』は重要な参考資料とされています。

研究への影響

徳田はその洞察力を活かして、説話の形式や文化的背景を分析することで、中世日本文学の理解を深めることに貢献しています。また、様々な著作を通じて、一般の読者にも平易に文学の楽しさや魅力を伝えることを常に心掛けています。

彼の研究は、学問的な枠を超え、広く文化人類学的な視点も取り入れながら、日本の伝承文学や芸能の多様な側面を明らかにしました。これにより、観光や地域文化の振興にも寄与してきました。

今後の活動

定年後も名誉教授として研究を続ける徳田は、今後ますますその知見を活かしながら、さらなる研究成果を発表することが期待されています。彼の活動は、学問の領域を越えて、日本文化の理解を広める重要な役割を果たすことでしょう。

もう一度検索