説話

説話についての概要

説話（せつわ）とは、古代から受け継がれてきた物語や話の総称です。一般に民話や伝説として知られるものの中にもこの説話の側面が色濃く見受けられます。日本文学においては、「今昔[[物語集]]」など、タイトルに「物語」と含まれる作品が説話に該当しますが、長編は「物語」と、短編は「説話」と区別されることが一般的です。

言語的な背景

「説話」という言葉自体は近代に作られたもので、その定義は明確には定まっておらず、国文学、民俗学、神話学などさまざまな文脈で利用されています。また、説話は、ドイツ語の「メルヘン」や英語の「フェアリーテイル」などと関連があり、これらは後の時代において世界的に広がりました。

特徴

多くの説話は口承文芸として発展してきましたが、地域や言語によって時代の変遷と共に書き言葉として記されるようになっています。近現代においては、こうした口承話が出版され、広く知られるようになりました。例えば、『グリム[[童話]]』やイタリアの『ペンタメローネ（五日物語）』などがその代表例です。このような口承の特徴として、物語は語られるたびに少しずつ内容が変わっていくものの、聞き手はそれを同一の物語として理解することが挙げられます。

昔話と伝説の違い

口承文芸は、古代から存在し、昔話や伝説、世間話に分類されます。昔話は通常、特定の時期を示さないため、内容が一般的であることが特徴です。決まり文句が多く用いられ、具体的な地名や人物名を避けることが多いです。

一方、伝説は具体的な地名や歴史的な人物と結びついており、物語の信憑性を高める要素があります。これに対し、世間話は日常生活の体験談が元になっているため、よりリアルな内容が語られます。

歴史的視点

おとぎ話は、戦国時代の太閤秀吉に由来すると考えられており、彼が設置した御伽衆によって語られるエピソードが起源とされています。この伝統は古代から続く夜を徹して語る風習に基づいています。

メルヘンと童話

近代にドイツから導入された「メルヘン」という語は、当初「童話」や「おとぎ話」という意味で使われました。そのため、昔話と童話が混同されることがしばしばありました。

謚話の種類

説話には、昔話や伝説等の民話だけでなく、神話や仏教説話も含まれます。具体的には、主人公の成長や冒険、財宝の発見、動物の助けを受ける話などがあり、それぞれの物語が持つ独自のテーマやモチーフがあります。柳田國男による分類によれば、完形昔話や派生昔話などのスタイルがあります。

完形昔話の例

• - 誕生の奇譚：桃太郎や力太郎
• - 危機の克服：食わず女房や宝化け物

派生昔話

• - 化け物話：蜘蛛の糸や狐狸の仇討
• - 因縁話：皿皿山や灰坊太郎

説話文学

説話をまとめた作品は説話集と呼ばれます。日本の文学においては、中世に栄えた作品が多く存在し、特に文学としての質を持つものは説話文学と称されます。代表的な作品に『日本霊異記』や『今昔[[物語集]]』があり、これらは後の文学活動にも多大な影響を与えました。

代表的な説話集

1. 日本現報善悪霊異記（758 - 822年）
2. 三宝絵（984年）
3. 江談抄（1107年頃）
4. 今昔[[物語集]]（1120年頃）

日本の伝説的な昔話は様々な形で私たちの文化の中に息づいており、民間信仰や語り継がれる物語の一部であり続けています。

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