徳田武

徳田 武（とくだ たけし）

概要

徳田武は、日本文学の専門家で特に近世漢詩に関する研究で知られています。1944年7月24日に群馬県で生まれ、文学博士の学位を早稲田大学から1988年に取得しました。明治大学の名誉教授として長年にわたり教育・研究活動を行い、2018年には瑞宝中綬章を受章しました。

略歴

徳田は高崎経済大学の学長を務めた徳田進を父に持ち、弟には国文学者の徳田和夫がいます。1967年に早稲田大学第一文学部を卒業し、その後1974年に同大学の博士課程を単位取得退学、同年から明治大学法学部で講師に就任、1983年には教授に昇進しました。

彼は和泉委員会の委員長など多くの職務を歴任し、文化団体での活動にも重きを置いてきました。1979年に窪田空穂賞、1980年には「三七全伝南柯夢」に関する論文で日本古典文学会賞を受賞するなど、数々の accolades を持っています。また、1987年の著書『日本近世小説と中国小説』で日本学士院賞を受賞し、同書を基に文学博士の学位を取得しました。

人物

徳田武の主な研究対象は、江戸後期文学や中国古典文学との交流で、特に曲亭馬琴についての研究が目立ちます。彼は日本近世における漢詩文に加え、日中比較文学の研究を精力的に行っており、自らが主宰する同人誌『江戸風雅』を年2回発行しています。この同人誌は、近世日本文学の重要な文献を取り上げ、研究者や愛好家たちに貴重な情報を提供しています。

また、徳田は高田衛の書籍『八犬伝の世界』が「実証性に欠ける」という厳しい批評を行ったことで知られ、高田との間で論争が生じたこともあります。

著書

徳田は数多くの著作を著しており、その中には以下のようなものがあります。

• - 『江戸詩人伝』(1986年)
• - 『日本近世小説と中国小説』(1987年)
• - 『江戸漢学の世界』(1990年)
• - 『八犬伝の世界』(1995年、放送テキスト)
• - 『近世日中文人交流史の研究』(2004年)
• - 『幕末維新の文人と志士たち』(2008年)
• - 『秋月韋軒伝』(2012年)

彼は翻訳や校注も手がけており、曲亭馬琴の著作や江戸漢詩選集の制作にも関わっています。また、編著としても多くの作品があり、日本古典文学の普及に努めています。

彼の研究や著作は、日本文学の理解を深めるだけでなく、近代における文学の発展に寄与してきました。今後の研究活動にも期待が寄せられています。

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