徳興大院君

徳興大院君の生涯と業績

徳興大院君（トグンデウォングン）は、李氏朝鮮の初期に生まれた王族であり、中宗と昌嬪安氏の間に生まれた子です。彼の本名は岹（チョ）、字は景仰（キョンアン）、幼名は歓壽（ハンス）であり、歴史の中で重要な役割を果たしました。

彼は嘉靖9年3月5日（新暦1530年4月2日）に漢城で誕生しました。1538年、徳興君の称号を受け、1542年には世祖治世において領議政であった鄭麟趾の曾孫で、判中樞府事であった鄭世虎の娘と結婚しました。この結婚により、彼は家族の結束を強め、政治的な地位をさらに固めました。

結婚の結果、彼には3人の息子と2人の娘が生まれました。子どもたちは河源君（李鋥）、河陵君（李鏻）、河城君（李昖、後の宣祖）、そして長女の李明順と次女の李恵玉です。彼の家族は後の朝鮮王朝の歴史において重要な影響をなしました。

徳興大院君は1559年5月9日（新暦6月14日）に病により私邸で亡くなり、その後、楊州の水落山に埋葬されました。彼の死後、1597年にその息子である河城君が第14代国王として即位し、宣祖となりました。徳興君の偉業は息子の治世にも影響を与え、彼の名は歴史に刻まれました。

また、彼は文人としても知られており、漢詩を多く残しました。彼の著作の一つである『遺墨』は、今でも評価されており、彼の文才を示す貴重な資料となっています。

徳興大院君は死後、夫人の河東鄭氏と共に追尊され、「徳興大院君」と「河東府大夫人」と呼ばれるようになりました。夫妻は「皇伯父母」としても尊敬され、その存在は武士や貴族たちに語りかける重要な象徴となりました。

家族

徳興大院君の家族構成は以下の通りです：

• - 祖父: 成宗
• - 祖母: 貞顕王后尹氏
• - 父: 中宗
• - 母: 昌嬪安氏
• - 妻: 河東府大夫人 鄭氏（1522-1567）
• - 長男: 河源君 李鋥（1545-1597）
• - 次男: 河陵君 李鏻（1546-1592）
• - 三男: 河城君 李昖（1552-1608）- 第14代国王宣祖
• - 長女: 李明順（1548-没年不明）- 広陽君 安滉（生年不明-1593）夫人。
• - 次女: 李恵玉（1558-没年不明）- 南忠元夫人。

彼の生涯や家族は李氏朝鮮時代の政治や文化に大いに影響を与え、後の歴史においても語り継がれています。

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