必履修科目

必履修科目について

必履修科目（ひつりしゅうかもく）は、日本における後期中等教育のカリキュラムにおいて、学生が卒業するために必ず履修しなければならない科目のことを指します。この制度は高等学校、中等教育学校の後期課程、および特別支援学校の高等部に適用されます。文部科学省によって定められた学習指導要領に基づき、具体的な科目が設置されています。

原則としての科目

2022年度から新たに導入された高等学校の学習指導要領にて、全ての生徒は以下の科目を履修することが求められます。これにより、学生は一定の基礎的な知識と技能を獲得することが目的とされています。

• - 国語: 現代の国語（2単位）、言語文化（2単位）
• - 地理歴史: 地理総合（2単位）、歴史総合（2単位）
• - 公民: 公共（2単位）
• - 数学: 数学I（2～3単位）
• - 理科: 科学と人間生活、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎の中から2科目（科学と人間生活を必ず含む）または3科目を選択
• - 保健体育: 体育（7～8単位）および保健（2単位）
• - 芸術: 音楽I、または美術I、工芸I、書道Iのいずれか（各2単位）
• - 外国語: 英語コミュニケーションI（2～3単位）または、他の外国語（2単位）
• - 家庭: 家庭基礎（2単位）または家庭総合（4単位）
• - 情報: 情報I（2単位）
• - 総合的な探究の時間: 3～6単位

これらを「必履修科目」と呼び、教育現場では「必修科目」との表現も用いられます。また、専門的な学科においては、これらの科目に替えて専門教科の履修を行うことが可能です。

専門教育との関係

理数に特化した学科（理数科など）では、専門教育の「理数」を履修することで、必履修科目の数学及び理科の履修が代替されることが認められています。また、国際的な観点を重視した学科（英語科、国際科など）では、専門の英語を履修することで外国語の必履修よりも評価されることがあります。このように、特定の狙いを持った専門性の高い学科においては、柔軟に教育プログラムが調整される仕組みとなっています。

特別支援学校の高等部および高専

特別支援学校の高等部では、「特別支援学校高等部学習指導要領」に基づき、一定の条件で教育課程が設けられていますが、一般の高等学校のカリキュラムと大きくは変わらない部分も多く見受けられます。

高等専門学校では、後期中等教育から専門教育に至るまでの教育課程が設定されていますが、文部科学省により基準が設けられています。ここでは学習指導要領は存在せず、独自の教育課程が適用されます。

原則履修科目について

商業や工業などの職業関連の専門学科では、専門に関連する科目を25単位以上履修することが求められ、そうしたカリキュラムの中で通常の教育に関する教科も含まれる場合があります。また、総合学科においては、産業社会と人間についての学習が重要視されています。

結論

必履修科目は、学生が後期中等教育を通じて必要な知識と情操を育むための土台となる重要なカリキュラムです。今後も教育現場において、柔軟性を持ちながら適切に学びを支える制度が求められています。

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