必殺! THE HISSATSU

映画『必殺! THE HISSATSU』について

『必殺! THE HISSATSU』（ひっさつ! ザ ヒッサツ）は1984年に公開された映画で、松竹株式会社や朝日放送、そして京都映画撮影所が制作に関わりました。監督は貞永方久氏が務め、この作品は「必殺シリーズ」の通算600回記念として特別に企画されました。

作品の特徴とヒットの要因

この映画は、テレビシリーズ『必殺仕事人IV』をもとにしており、特徴的な殺しの美学とバラエティに富んだ要素を巧みに組み合わせて、豪華なテレビドラマの拡大版として仕上げられました。当時、テレビドラマを基にした映画はヒットしにくいという常識がありましたが、本作はそのジンクスを覆し多くの観客を惹きつけることに成功しました。この成功を受けて、シリーズは年に1回のペースで続編が作られることとなりました。

1985年4月12日にはテレビ放送も行われ、その視聴率は24.9%を記録。これは喜ばしい結果であり、シリーズの人気を更に確固たるものにしました。

あらすじ

物語は江戸時代が舞台で、六文銭を口にくわえた身元不明の遺体が次々と見つかります。主水はこの惨事を仕事人の成れの果てと察知し、仲間たちに警告します。一方、おりくはこの事件の真相を解明するため、上州へと向かいます。

その頃、遊女のお君が女郎屋の主・伝次を殺してほしいと加代に依頼しますが、愛猫を殺されたことが原因だと知った主水たちは依頼を断ります。お君は夜に偶然、朝之助と会い、自身の愛猫の通夜を行いますが、伝次の密談を耳にしてしまい、伝次が放った手裏剣によって命を落とします。

お君への同情から、秀は伝次を討ちに行くことを決意しますが、その前に蝶々を飛ばす仕事人が現れ、先に伝次を仕留めてしまいます。

さらに、主水の前にお葉という女性が現れ、金儲けをちらつかせながら六文銭一味に加わるよう誘惑し、祭で何かが起こることを予告します。祭の日、柳橋のお甲を中心に仕事人たちが奇妙な御輿を担ぐ黒衣の集団に次々と殺され、唯一生き残った瓦職人の政は事態の深刻さを実感します。

上州から戻ったおりくによって、一連の仕事人殺しの黒幕が庄兵衛であることが分かります。おりくは庄兵衛に接触しますが、彼は闇の世界から足を洗うか、江戸から立ち去るか、そうでなければ六文銭をくわえて死ぬかという選択を迫ります。仕事人たちは庄兵衛との戦いに向け、助っ人を探し続けます。

登場人物たち

本作には多くの魅力的なキャラクターが登場します。主水役の藤田まことは、卑劣な手段を用いる六文銭一味に対抗します。秀役の三田村邦彦は、お君の愛猫のために一人で伝次を狙うという行動に出ます。他にも、何でも屋の加代や勇次、西順之助などのキャラクターがそれぞれ異なる形で物語に深みを与えています。

庄兵衛は六文銭一味の頭であり、非常に冷酷な性格をしています。彼は裏稼業の独占を目論み、多くの部下を指揮して仕事人たちを始末しようとします。また、庄兵衛の手先であるお葉は主水を罠にかけようとするなど、物語に緊迫感をもたらしています。

まとめ

『必殺! THE HISSATSU』は、前作の要素を引き継ぎながら新たな視点を加え、多くの観客に愛される作品となりました。その後のシリーズ化も、この映画の成功に大きく依存していると言えるでしょう。観客の心に深く刻まれる印象的なストーリーとキャラクターたちが、今なお語り継がれています。

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