必殺仕事人V

必殺仕事人V

『必殺仕事人V』は、1985年の1月から7月まで、テレビ朝日系で毎週金曜の夜に放送されたテレビ時代劇です。本作は全26話から成り、藤田まことが主演を務め、朝日放送と松竹が共同制作した作品です。このシリーズは「必殺シリーズ」の第23作に位置付けられたことに加え「必殺仕事人シリーズ」の第5弾であり、中村主水シリーズの第11作でもあります。

新たなキャラクターとストーリー展開

本作からは、組紐屋の竜役を演じる京本政樹と、花屋の政役を演じる村上弘明が新たに登場しました。二人は当時、若者のアイドル的な人気を誇り、彼らの存在は本作を特に注目を集める要因となりました。村上は前年の『必殺仕事人IV』にゲスト出演しており、京本も必殺シリーズの同じスタッフによるドラマ『京都マル秘指令 ザ新選組』にレギュラー出演していました。京本は、本作への出演が現代劇での初挑戦として、期待を抱いていましたが、役柄が従来の「首筋刺し」技と異なり、「絞殺型」の技を使うことに最初は戸惑いを見せたといいます。

コメディ要素とゲストの登場

コメディリリーフとして、順之助に迫るオカマの玉助も引き続き登場し、順之助と許嫁のお新との間でしばしば絡み合うコミカルな場面が展開されました。また、第9話では大ヒット漫画『キン肉マン』の作者、ゆでたまごがゲスト出演したことでも話題となりました。彼らは単なるカメオ出演ではなく、ストーリーに重要な役割を果たす位置に立ち、作品の面白さに寄与しました。

撮影での困難

本作の制作中、竜役の京本が事故により右脚を骨折し、その影響が撮影に及びました。以降、第21話からは彼の出演シーンが制限され、代役による映像も使用されることになりました。この出来事が影響して、本作は従来のシリーズよりも短い26話で完結しました。

エピソードと登場人物

物語の舞台は、主水、加代、順之助、おりく、そして新たに加わった竜と政の新生「仕事人」グループによる恨みの晴らしを描いています。中村主水は、南町奉行所の定町廻り同心として物語を引っ張ります。加代は、より冷酷なキャラクターとして描かれ、一方で竜は伊賀の忍者としての過去を背負った複雑な人物像が描かれました。

最終回と今後の動向

最終話では、主水と仲間たちが再び旅立つ姿が描かれ、『必殺仕事人V・激闘編』へと続くストーリーへの伏線ともなりました。また、後の作品にレギュラーとして参加する役者も登場し、さらなる展開が期待されます。このように『必殺仕事人V』は、毎回のエピソードを通じてキャラクターの成長や人間関係の変化を描きながら、視聴者を魅了しました。

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