必殺仕事人V・旋風編

必殺仕事人V・旋風編

『必殺仕事人V・旋風編』は、1986年11月7日から1987年3月6日までテレビ朝日系列で放送されたテレビ時代劇です。本作は全14話からなり、主演は藤田まことが務め、朝日放送と松竹の共同制作によっています。このシリーズは必殺シリーズの第27作目であり、必殺仕事人シリーズの第7作目、さらに中村主水シリーズの第13作目でもあります。

概要と制作背景

本作は、前作『必殺仕事人V・激闘編』が特有のハードボイルドな作風から脱却していたため、その分視聴率が低迷しました。このため本作では、従来の路線を変更し、コメディ要素やコミカルなシーンが多く取り入れられ、娯楽色が強まることとなりました。また、当時の社会情勢をパロディとして盛り込むことで、視聴者に親しみやすい内容に仕上げられました。

主水は左遷され、上司の田中同心や新たに登場した与力の鬼塚にいびられる生活が続きますが、西順之助が再登場し、新たなキャラクターであるおりんと千代松も加わっています。本作は当初26話の予定でしたが、出門英の降板や視聴率の不振が影響し、14話で打ち切られました。その後、本作の1年後の物語を描いた『必殺仕事人V・風雲竜虎編』が開始され、主題歌などは引き続き使用されました。また、音楽もモノラルで録音されるようになりました。

あらすじ

第1話では、主水は裏稼業から距離を置き、南町奉行所での生活を送っています。しかし、新しい与力鬼塚によって百軒長屋の番所に異動され、実質的な左遷を受けることになります。そこでかつての仲間である西順之助と再会し、彼はこの長屋で歯医者を開いていました。しかし、脂でうごめく悪人との死闘が待ち受けていました。

お玉という便利屋が現れ、主水は彼女から裏の仕事に誘われますが、断る決意をします。百軒長屋の住人を狙う上総屋という悪党が登場し、借金を作らせ、銭を巻き上げる事態が発生。住人の佐助は鬼塚に訴えるも取り合ってもらえず、最終的には口封じのために殺害されてしまいます。

主水は同じような境遇の住人たちの怨念を目の当たりにし、裏稼業に復帰することを決意。その後、順之助と共にお玉のもとを訪れ、上総屋一味を討つことになります。しかし、主水は悪党の追手に狙われ、鍛冶屋の政の家に逃げ込みます。そこで彼は悪党を排除し、復帰の道を歩む中で新たな仕事人のグループが結成されるのでした。

登場人物

主水

中村主水は藤田まことが演じる南町奉行所の同心。百軒長屋への異動を命じられ、表向きは順之助を「先生」と呼んでいます。

鍛冶屋の政

村上弘明が演じる鍛冶屋で魅力的なキャラクター。

お玉

かとうかず子が演じる主人公の密偵。雇い主としての役割を担い、情報収集を行う重要な存在です。

西順之助

ひかる一平が演じる、名医としても知られる主水の信頼できる仲間。

このように、登場人物たちが絡み合うことで物語が展開し、視聴者に笑いと感動を与える作品となっています。特に、彼らの個性豊かなキャラクターが魅力となっており、物語に厚みを与えています。

スタッフ

製作は朝日放送で、プロデューサーには奥田哲雄さんや辰野悦央さんが名を連ねています。脚本には田上雄さんや保利吉紀さんなどが参加し、多彩なエピソードが描かれました。音楽には平尾昌晃さんが関わり、効果的なBGMが視聴者を物語の世界へ引き込みます。

『必殺仕事人V・旋風編』は、幅広い年齢層の視聴者に親しまれ、ユーモア溢れる時代劇として記憶に残ることでしょう。

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