必殺仕事人V・激闘編

番組概要

『必殺仕事人V・激闘編』は、1985年11月15日から1986年7月25日まで、テレビ朝日系列で放送されたテレビ時代劇です。本作は、必殺シリーズの第25作目であり、必殺仕事人シリーズの第6作、さらには中村主水シリーズの第12作に位置づけられています。全33話に渡り、藤田まことが主演を務めました。

制作背景

本作は前作『必殺仕事人V』の続編として製作されましたが、他の派生作品と同じく「VI」という番号は付けられず、以後も必殺仕事人Vの派生シリーズが続くことになります。前作では京本政樹と村上弘明が新たに加入したことで、ファミリー層からの支持を受けて再度の人気を得て、第二次仕事人ブームが起こりました。しかし、映画『必殺! ブラウン館の怪物たち』の撮影中、京本が負傷し、制作に影響が出ました。その結果、シリーズは全26話で終了しています。

この時期の必殺シリーズは特に人気が高かったものの、内容にマンネリ化が見られるようになりました。それを打破するため、制作スタッフは主人公たちを昔のプロの殺し屋として描く、よりハードボイルドな作風への原点回帰を目指しました。その流れを受けて、前作『仕事人V』の後番組として、本作が登場しました。

シリアスな作風

放送前には、制作サイドが新シリーズは従来よりもハードな内容にしたいとコメントし、シリアスな路線を志向していました。前作までの軽快さを排除し、悪人との確執や人情劇を重視した内容にシフトしました。これにより、視聴者からは賛否が噴出し、伝統的な構造への戻りを望む声が多く寄せられました。

キャラクター面では「はぐれ仕事人」が導入され、主水チームに参加する新しいメンバーが登場しますが、彼らの描写は少なく、主に主水と加代、竜、政らとの関係が描かれます。

あらすじ

物語は、奉行所による仕事人狩りが厳しくなった江戸を舞台に展開されます。主水は裏稼業の再開に悩んでいましたが、加代が仕事を請け負うことで再び仕事に復帰することになります。はぐれ仕事人たちの協力を得て、主水たちは新たな仕事を遂行し、多様な人間模様を描いていきます。

主な登場人物

• - 中村主水（藤田まこと）: 南町奉行所の同心で、仕事人狩りが厳しくなる中、加代の影響で再び仕事人として活動します。
• - 何でも屋の加代（鮎川いずみ）: 仕事人の密偵であり、時に暴力的な仕事を請け負います。
• - 組紐屋の竜（京本政樹）: 主に絞殺を担当するが、出番は次第に減っていく。
• - 鍛冶屋の政（村上弘明）: 手槍の使い手で、物語を通じて成長していく。
• - はぐれ仕事人: 壱、弐、参の3人が主水たちの助けとなり、時にその関係性が重要な役割を果たします。

放送と評価

本作は放送期間中、視聴者から多くの反響を受け、シリーズ全体の中でも特に支持を得ることができました。しかしシリアス路線の変更に対して訴えも寄せられ、内容に対する期待と評価は分かれました。最終的に、必殺仕事人の人気と影響はその後のシリーズに多大な影響を与え続けることになります。

このように、『必殺仕事人V・激闘編』は新たな要素を取り入れつつも、シリーズの本質を保ち続けた作品となっているのです。

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