必殺仕舞人

必殺仕舞人

『必殺仕舞人』（ひっさつしまいにん）は、1981年2月6日から5月1日まで毎週金曜日にテレビ朝日系で放送されたテレビ時代劇です。本作は、朝日放送と松竹が共同制作し、全13話で構成されています。主演は京マチ子が務め、シリーズの第16作目にあたります。

概要

本作のタイトルに含まれる「仕舞人」には、「悪人の命をお仕舞いにする」という意味に加え、「女の苦しみをお仕舞いにする」といった意味があります。番組全体のテーマとして「女の恨みを晴らす」ことが強調されており、主人公の坂東京山は、表向きは民謡手踊り一座を率いて全国を巡る座長でありながら、裏では女性たちの恨みを果たす活動を行います。

この作品は、前々作『必殺うらごろし』が視聴率面で苦戦していた中で成功した『必殺仕事人』に続く、シリーズにとって重要な転機の一つとなりました。特に『必殺仕事人』が大ヒットしたことから、本作も成功を目指して制作されました。また、放送開始の1か月前に、主人公・坂東京山が登場する特別編も放送されており、このスピンオフ的要素が本作の青写真とも言えます。

本作は、非主水シリーズの一環として旅行をテーマにしており、日本各地の民謡や文化が多く盛り込まれています。物語の中で主人公たちは北は北海道から南は沖縄までを旅し、その旅先でさまざまな事件に巻き込まれながら女性たちの恨みを晴らしていきます。

あらすじ

15年前、坂東京山は愛する男に裏切られ、その結果、一人娘を失い、生きがいを失ってしまいます。その後、彼女は鎌倉本然寺に身を投じ、善行尼の依頼で再び裏の仕事に従事することになります。京山は、昔の職業を思い出しながらも、民謡手踊りの一座を率いて、最初の目的地である佐渡島へと向かいます。

旅の途中で出会った晋松や直次郎と協力しながら、京山は過去の思い出と向き合い、内田春之介という男の面影を追います。彼女の信頼を裏切ったその男が、今回の復讐のターゲットとなるのです。再び事件が起き、京山と晋松は協力して内田とその仲間に立ち向かいます。

登場人物

• - 坂東京山（演: 京マチ子）: 母親のように一座の女性たちを支える優しい役職を持ちつつ、再び殺し屋としての道に戻ります。
• - 晋松（演: 高橋悦史）: 殺し屋としてのスキルを持ちながら、一座の参謀として京山を支えます。
• - 直次郎（演: 本田博太郎）: 陽気でお調子者ですが、仲間たちにとってのムードメーカーとして活躍します。
• - おはな（演: 西崎みどり）: 一座の踊り子たちのリーダー的存在で、途中から物語に深く関与していきます。

制作と音楽

本作は、多くのスタッフが関与しており、音楽は平尾昌晃が担当しています。ナレーションは中条きよしが担っており、作品に独自の色を加えています。合気道の指導には、当時無名だったスティーヴン・セガールが関与しており、この点も注目に値します。

結尾

『必殺仕舞人』は、原作の続編として『新・必殺仕舞人』も制作され、人気を博しました。京山や彼女の仲間たちの旅を描いた本作は、同じ配役と世界観で続けられた唯一の作品として、シリーズの中でも特に名を残すものとなりました。

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