必殺剣劇人

必殺剣劇人

「必殺剣劇人（ひっさつけんげきにん）」は、1987年8月から9月にかけてテレビ朝日系列で放送された、全8話のテレビ時代劇である。この作品は、朝日放送と松竹（現・松竹撮影所）の共同制作によるもので、大人気の必殺シリーズの29作目に位置付けられ、金曜22時台の最終作となった。

概要

本作は、シリーズが終了することを前作『必殺仕事人V・風雲竜虎編』の放送中に決定したため、当時最終作として特に制作された。独特なモノクロの無声剣劇映画をイメージさせる作風となっており、これまでのシリーズとの違いが随所に見られる。

殺陣に関しては、劇場映画『必殺4 恨みはらします』に参加したジャパンアクションクラブの協力が得られ、迫力ある戦いが展開される。物語の中心は、「剣劇人」と呼ばれる幻の義賊たちであり、彼らは金のために人を殺すのではなく、義のために行動する姿が描かれている。この点は、他のシリーズとは異なるナラティブを提供している。

あらすじ

物語は、江戸城から一万両が奪われた事件から始まる。これは義賊「世直し三人組」の仕業で、彼らはその半分を市井に分配した。数年後、かつての仲間であったカルタの綾太郎、早縄の清次、すたすたの松坊主のもとに、お百の娘を名乗るお七という少女が訪れる。自らの怒りと正義感をもって、3人は彼女のために再び立ち上がる決意をする。

登場人物

• - カルタの綾太郎（演：近藤正臣）: 表稼業は賭場のカルタ札撒きであり、義賊のリーダー格。お七の願いをかなえるために「剣劇人」を結成する。
• - 早縄の清次（演：田中健）: 町火消しとして働く若者で、彼女の優しい兄貴的な存在。
• - すたすたの松坊主（演：あおい輝彦）: 大道芸人であるが、真剣に人生を考える一面も持つ。
• - お七（演：工藤夕貴）: 彼女は悪を憎む激情をもった少女であり、3人を父と呼ぶ。

殺し技

本作の殺しは、華やかさが際立つ剣劇人たちによって行われる。3人は手下には手を出さず、正々堂々と悪人に立ち向かい、戦う様子は見応えがある。

最終回

最終回には、中村主水が登場し、シリーズ全体に対するオマージュが捧げられる。ラストシーンでは、シリーズの歴史が締めくくられ、視聴者に感謝の挨拶がされる。

まとめ

「必殺剣劇人」は、義賊たちの痛快な活躍を描きつつ、人生の深さも垣間見せる作品となっている。最後の最後まで視聴者を楽しませたこのシリーズは、特にファンにとって忘れがたい存在となり、歴代の必殺シリーズの締めくくりとなった。

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