忍者銀

忍者銀：屋敷流急戦矢倉の真髄

将棋の戦法の一つに「忍者銀」があります。これは、屋敷伸之九段が2014年頃から使用し始め、得意戦法として確立した急戦矢倉の一種です。「屋敷流二枚銀戦法」や「ニンニン戦法」といった別名でも呼ばれており、その攻撃的なスタイルから、多くの注目を集めています。

忍者銀は、相矢倉をベースとした速攻戦法です。特徴的なのは、2枚の銀の配置にあります。通常とは異なる位置に銀を配置することで、相手の陣形を崩し、素早い攻撃を仕掛けることを目指します。具体的には、右銀を3七に、左銀を5七から6六と構えることで、角道を確保しつつ、中央への攻勢を準備します。

基本的な手順

忍者銀の基本的な手順は、以下の通りです。

1. 銀の配置: 右銀を3七、左銀を5七から6六に配置します。この配置によって、中央への攻めと、相手の角道を制圧する狙いがあります。
2. 中央の攻め: 中央に銀を配置し、場合によっては歩の交換を行うことで、3筋（後手番の場合は7筋）から角銀交換を狙います。
3. 攻撃開始: 角銀交換を起点に、相手の陣形を崩し、積極的に攻め込みます。
4. 右銀の活用: 右銀は、状況に応じて棒銀にするなど、柔軟な対応が可能です。

先手・後手、矢倉・振り飛車への対応

屋敷九段は、棋戦において先手・後手どちらの局面でも忍者銀を用いており、矢倉だけでなく、振り飛車にも対応できる汎用性の高い戦法です。これは、忍者銀が単なる定跡にとらわれない、柔軟性と対応力に優れた戦法であることを示しています。

他の戦法との比較

忍者銀は、他の類似の戦法である「早繰り銀」や「カニカニ銀」とは異なる特徴を持っています。早繰り銀は、より素早い攻めを重視する一方、忍者銀は、銀の配置と角道の確保により、より安定した攻めを展開します。カニカニ銀とは、銀の配置自体が大きく異なり、それぞれ異なる狙いを持っています。

忍者銀の魅力

忍者銀の魅力は、その攻撃的なスタイルと、柔軟な対応力にあります。定跡にとらわれず、相手の状況に合わせて変化に対応できるため、多くの将棋ファンを魅了し続けています。その独特の戦術は、将棋界に新たな風を吹き込み、多くの棋士が研究する戦法となっています。

まとめ

忍者銀は、屋敷伸之九段が開発した、攻撃的な急戦矢倉です。その独特な銀の配置と柔軟な対応力で、多くの将棋ファンを魅了しています。将棋の戦術を学ぶ上で、重要な戦法の一つと言えるでしょう。将棋に興味のある方は、ぜひ忍者銀について、さらに深く研究してみてください。

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