志々目藤彦

志々目 藤彦（ししめ ふじひこ）

志々目藤彦は、1870年2月1日に薩摩国揖宿郡（現在の鹿児島県）の喜入村で生まれました。彼は明治から大正期にかけて活躍した農業経営者であり、政治家としても地域の発展に寄与した人物です。若い頃から普通学や和漢学を修め、1892年に明治法律学校（現・明治大学）を卒業後、農業に従事します。

政治活動の始まり

藤彦の政治活動は1897年に始まりました。この年、彼は鹿児島県会議員に選出され、その後、参事会員や副議長も務めました。そして1908年には県会議長に就任しました。彼の政治活動は地元の農業振興に非常に力を入れており、早くから地域の発展を目指していました。

1912年には第11回衆議院議員総選挙に立憲政友会所属で出馬し、初当選を果たします。この時、彼は個人的な財産を失うものの、地元の村人たちの寄付を受けて再起を図ります。藤彦は1915年、1917年の選挙でも再選され、衆議院議員として3期連続で在任しました。彼の奮闘ぶりは「井戸塀政治家」として知られ、政治に対する熱意を象徴しています。

農業振興への尽力

藤彦は、農業界でも活発に活動し、鹿児島県産馬組合連合会の組長や畜産連合会長、揖宿郡農会長といった役職を歴任しました。これらの役職を通じて、鹿児島の農業振興に貢献し、地元の産業を活性化させました。さらに、彼は指宿線の開通にも尽力し、地域の交通インフラの発展にも寄与しました。

最晩年と影響

志々目藤彦は1927年6月7日に世を去りましたが、彼の政治や農業界に対する貢献は、今なお鹿児島の人々に語り継がれています。彼は、地域の振興と発展を自身の人生の使命とし、全力を注ぎました。その姿勢は多くの後進に影響を与えるものであり、地域の政治と農業の発展の礎となりました。

参考文献

• - 人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年
• - 細井肇『現代日本の政治家』國光社、1916年
• - 衆議院事務局編『衆議院議員総選挙一覧 自第7回至第13回』衆議院事務局、1918年
• - 『総選挙衆議院議員略歴 第1回乃至第20回』衆議院事務局、1940年
• - 南日本新聞社編『郷土人系 上』春苑堂書店、1969年
• - 衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年
• - 下竹原弘志編『郷土と日本を築いた 熱き薩摩の群像700名』指宿白水館、1990年

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