志学館中等部・高等部 (千葉県)

志学館中等部・高等部

志学館中等部・高等部（しがくかんちゅうとうぶ・こうとうぶ）は、千葉県木更津市真舟三丁目に校舎を構える私立の中学校および高等学校です。一般的には「志学館」、「志学」、あるいは「SGK」の通称で呼ばれています。

東京湾に近く、上総丘陵の高台という恵まれたロケーションに位置する本校は、中高一貫教育を実施しています。「自らの人生は、自らの力で開拓する」という「人生開拓」を建学の理念として掲げ、知性、人間性、身体のバランスが取れた豊かな人間を育成する全人教育を目標として創立されました。多くの生徒が大学への進学を志しており、生徒一人ひとりの理解度や進度に応じた習熟度別の学習指導を取り入れています。

教育課程の特徴として、授業時間は月曜日と木曜日が6限まで、火曜日、水曜日、金曜日が7限まで設定されています。特に、火曜日の7限はLHR（ロングホームルーム）、金曜日の7限は総合的な探求の時間に充てられており、生徒の多角的な学びや自己理解、進路形成を支援しています。

学校の沿革としては、まず1983年（昭和58年）に志学館高等学校が開校しました。続いて1985年（昭和60年）4月1日には志学館中学校が開校し、中高一貫教育の体制が整えられました。現在の校名である志学館中等部・高等部に変更されたのは、2001年（平成13年）4月1日のことです。

本校の教育方針を示す校訓は以下の三つです。

国を愛し郷土を愛し親を敬うこと
信義友愛礼節を守ること
学問を尊び心身を鍛えること

校名の「志学館」は、中国の古典である『論語』の「吾十有五にして学に志す。」という有名な一節から引用されました。「志学」という言葉には、単に知識を詰め込むだけでなく、真に人間として成長していくことを目指す深い意味が込められています。

学校へのアクセスは、木更津駅から登下校時にスクールバスが運行されているほか、鎌取、ちはら台、館山、鴨川、久留里といった広範囲から合計12の通学用路線バスが利用可能です。

キャンパスは木更津市の郊外に広がり、本館、体育館、西館、特別教室棟、図書館、各種競技場など、教育活動に必要な施設や設備が整っています。特に、大規模な講義に対応できる大講義室、蔵書が豊富な図書館、自習に集中できる学習室（自習室）、進路に関する相談ができる進路相談室、コンピュータを使った学習を行うCAI教室、生徒たちが利用する食堂などが設置されています。また、遠方からの生徒のために学寮が完備されており、男子寮の「時習寮」と女子寮の「K.G.Flat」があります。

制服は中等部と高等部でデザインが異なります。高等部の男子冬服はモスグリーンのブレザーにグレーのスラックス、女子冬服はオレンジブラウンのブレザーにライトブラウンのチェック柄スカートが基本です。夏服は、男子がブルーのシャツにグレーのスラックス、女子がブルーのシャツにリボン、グレーのチェック柄スカートとなります。中等部の男子冬服は高等部と同様にモスグリーンのブレザーにグレーのスラックスですが、女子冬服はオレンジブラウンのブレザーに赤のチェック柄スカートが特徴です。夏服は男子がブルーカラーのシャツにグレーのスラックス、女子がライトブルーのシャツにリボン、青のチェック柄スカートです。

年間行事として、文化祭は「水無月祭」と呼ばれ、毎年6月に開催されます。体育祭は例年9月に実施されています。

部活動も活発に行われており、運動系では1994年夏の全国高等学校野球選手権大会に出場した硬式野球部や、2022年に全国高等学校総合体育大会（インターハイ）の少林寺拳法団体演武で男女ともに優勝を飾った少林寺拳法部などが知られています。文化系では、個人で全国大会に、団体で関東大会に出場経験のある囲碁部などが活動しています。

過去には、2015年度に高等部1年生の家庭科を担当していた教員が、教員免許が失効した状態で授業を行っていたという事案が発生しました。これにより、同年10月末までに実施された46時間分の授業が無効となり、対象となった高等部1年生276名全員が、非常勤講師による補講を受けることになりました。

本校からは、以下のような著名な卒業生を輩出しています。

澤﨑 俊和 （元プロ野球選手、コーチ）
金子 圭輔 （元プロ野球選手）
服部 友一 （元鹿児島読売テレビアナウンサー）
丸山 忠久 （将棋棋士、実力制第十一代名人）
竹松 舞 （医師、ハープ奏者）
早川 周作 （実業家）
品川 祐 （お笑いタレント）

関連する学校として、拓殖大学とは系属校の関係にあり、拓殖大学紅陵高等学校とは兄弟校です。また、千葉県の中学校・高等学校一覧にも名を連ねています。

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