志摩市立船越中学校

志摩市立船越中学校の概要

志摩市立船越中学校は、三重県志摩市大王町船越に位置していた公立中学校で、通称は「船中（ふなちゅう）」と呼ばれていました。1954年に「大王町立船越中学校」と改称され、2013年の統合まで地域の教育に根ざした存在でした。この学校は、英虞湾と太平洋に囲まれた高台にあり、近隣には船越小学校が隣接していましたが、統合によりその役割は波切中学校となり、志摩市立大王中学校として新たにスタートを切っています。

歴史と沿革

船越中学校の歴史は1947年に遡ります。当初は「船越村立船越中学校」として設立され、開校式は同年の5月に行われました。当初は隣接する小学校や民間の施設を借用して授業が行われていました。1948年にはPTAが結成され、教育環境の充実が図られるようになりました。その後、片田村との学校組合を結成し、1949年には学校が移転するなど、地域での協力体制が形成されました。1953年には独立校となり、独自の校歌や校旗が制定されるなど、学校の自主性が強まっていきました。

1960年代には、校舎の焼失や新校舎の完成など、多くの出来事が起こりました。特に1967年に学校本館が全焼した際は、大きな被害を受けましたが、校舎の再建が決まり、1969年には新校舎が完成しました。特別教室や体育館の整備も行われ、1990年代にはコンピュータ室も設置され、時代に応じた教育インフラが整っていきました。

閉校への道

志摩市立船越中学校は、2013年の3月に最後の卒業式を迎え、同年の3月31日をもって閉校となりました。閉校後は、映画プロデューサーであり、卒業生の山際新平が関与した「校歌の卒業式」という映画が製作され、学校の思い出や卒業生の絆が描かれました。この映画は、閉校の悲しみを乗り越え、新たなスタートを切る力を感じさせる作品となっています。

学校の施設

船越中学校の校舎は、特別教室棟や体育館、広大なグラウンドがあり、サポート体制は充実していました。また、学校行事では入学式や卒業式が行われ、地域の人々とも深いつながりを持っていました。卒業生は主に志摩市内の高校へ進学するケースが多く、中にはプロ野球選手や映画プロデューサーとして活躍する者もいました。

卒業生たち

閉校までに船越中学校を巣立った卒業生は、約2,259人に上ります。彼らは地域社会でも活躍し、特に大道典良さん（元プロ野球選手）や山際新平さん（映画プロデューサー）など、著名な人物も輩出されています。これらの卒業生たちの活動は、母校への誇りを感じさせるものであり、船越中学校の教育の歴史を語り継ぐ重要な要素となっています。

まとめ

志摩市立船越中学校は、地域の中で長きにわたり教育の灯を灯し続けた学校でした。その歴史は、地域生徒の成長と共にあり、卒業生たちの活躍がこの学校の伝統を今も生かしています。閉校という結果を迎えたものの、その精神は映画や地域活動を通じて息づいています。

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