志田諄一

志田諄一について

志田諄一（しだ じゅんいち）は、1929年1月29日に山形県で生まれ、2011年12月21日に亡くなった日本の歴史学者です。明治大学大学院文学研究科博士課程を修了後、1998年に「常陸国風土記と説話の研究」で史学博士号を取得しました。

経歴と業績

志田氏は、茨城キリスト教大学で教授、後に学長を務め、1999年に定年退職し名誉教授となりました。また、茨城県教育委員長、元日立市郷土博物館館長を歴任するなど、教育や文化財保護にも大きく貢献しました。茨城県文化財保護審議会委員も務め、地域文化の発展に尽力しました。2005年には、長年の功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しています。

専門分野は、日本古代史および古代中世氏族研究で、特に武田氏の発祥に関する研究が有名です。1968年に『勝田市史』で発表した、武田氏の祖を源義清とする説は、現在では定説として広く支持されています。この説は、新羅三郎義光の三男（または次男）である源義清が、常陸国那珂郡武田郷を本拠として武田姓を名乗ったとするものです。

主な著書

志田氏は、数多くの著作を出版しており、その研究成果は後世に大きな影響を与えています。

『古代氏族の性格と伝承』（1971年、雄山閣）
『日本霊異記とその社会』（1975年、雄山閣）
『風土記の世界』（1979年、教育社歴史新書）
『東海村の今昔 村人の信仰と生活』（1981年、崙書房）
『中世常陸の農村社会 多珂郡赤浜妙法寺過去帳を読む』（1984年、筑波書林）
『古代日本精神文化のルーツ』（1984年、日本書籍）
『東海村の今昔 続』（1984年、崙書房）
『東海村の歴史地名』（1987年、筑波書林）
『佐竹氏とその時代』（1988年、常陸太田市）
『常陸五山の山岳信仰』（1988年、筑波書林）
『中世常陸の土豪と農民』（1989年、筑波書林）
『風土記を読む』（1989年、崙書房出版茨城営業所）
『高萩の昔ばなし』（1990年、筑波書林）
『常陸国風土記と神仙思想』（1997年、筑波書林）
『常陸国風土記』と説話の研究』（1998年、雄山閣出版）
『金砂大祭礼の歴史』（2002年、茨城新聞社）
『寺社の縁起と伝説』（2005年、崙書房出版茨城営業所）

共著

『茨城の将門』（1976年、茨城新聞）
『竪破山黒前神社ものがたり』（1990年、竪破山黒前神社奉賛会）
『マンガで学ぶ茨城の歴史 新装版』（1999年、茨城新聞社）

関連事項

志田氏の研究は、武田氏や甲斐源氏の歴史を深く理解する上で欠かせないものです。彼の業績は、日本の歴史研究に大きな貢献をしました。

志田諄一は、その生涯を通じて日本の歴史、特に茨城県の歴史と文化の研究に尽力し、多くの人々に影響を与えた歴史学者でした。

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