筑波書林

筑波書林株式会社の概要

筑波書林株式会社は、日本の千葉県松戸市に本社を構える出版社です。この会社は、出版社、著者、読者の三者によって形成される「ふるさと文庫の会」を通じて、全500巻に及ぶ「ふるさと文庫」を発行しています。もともと株式会社茨城図書の出版部門として設立されたこの企業は、2011年から学習塾を経営する吉田幸市に引き継がれ、現在に至ります。

創業と初期の活動

筑波書林の歴史は、1978年に茨城県土浦市で始まりました。地域の記録を残すことを目的として発行された「ふるさと文庫」は、茨城県の文化や風習を中心に、さまざまなテーマを扱う書籍へと発展しました。当初は地域に生きる人々が書いた書籍が少なかった中で、これらの文庫は地域への愛着や認識を深める上で大切な役割を果たしました。

500巻を完結させた1993年には、出版活動がさらに多様化し、歴史、自然、福祉、民俗などの分野にも広がりました。このように様々なテーマを取り扱うことで、筑波書林は地域文化の集積と伝承に貢献してきたのです。

創業者とその理念

筑波書林の創業者は、菊田俊男氏です。彼は1934年に茨城県で生まれ、千葉大学を卒業後に農業と演劇活動に従事しました。1967年に出版社に入社した後、1973年に独立して株式会社茨城図書を設立しました。菊田氏は地域の記録を残し、文化を育成することを目指して強い信念で事業を行ってきました。彼の死後、妻のまき氏が社長となり、事業を継続する運びとなりました。

業務の継続と新たな展開

2010年の秋には筑波書林の事業を再開する声が高まり、妻の菊田まきが社長に就任。友朋堂書店の応援フェアを皮切りに、地域への支援活動が始まりました。2011年には、吉田幸市が出版部門を引き継ぎ、筑波書林として新たな一歩を踏み出しました。彼は特に自費出版の拡充に力を入れ、かつての在庫本の引き継ぎや売り切れた書籍の再発行を進めています。

主要な刊行物

筑波書林の主な刊行物には、茨城地方史研究会編の『茨城史林』や堀米喜八郎編著の『茨城の文学碑百選』などがあります。また、「ふるさと文庫」シリーズは特に注目されており、こちらは歴史、地誌、民俗、文学、芸術など多彩なジャンルを扱い、茨城の文化を深く掘り下げています。この全500巻が揃うことにより、発行当初の「郷土の百科事典にする」という目標を達成し、地域文化の定着を実現しています。

まとめ

筑波書林株式会社は、地域の文化や歴史を記録することを目指し、多様な出版物を通じてその使命を果たしています。創業者の理念を引き継ぎつつ、新たな展開を迎えるこの出版社は、今後も地域の文化を支えていくことでしょう。

もう一度検索