志賀勝 (アメリカ文学者)

志賀 勝について

志賀勝（しがまさる）は、1892年3月29日に愛媛県宇和島市に生まれ、1955年8月1日に亡くなった日本の著名なアメリカ文学者です。彼の教育背景は、関西学院高等学部の文科英文学科で学び、卒業後は母校で教鞭をとり、後には関西学院大学の英文科主任教授として活躍しました。このような学問的立場を通じて、彼は日本におけるアメリカ文学の普及に大いに寄与しました。

アメリカ文学への情熱

志賀は、早くからアメリカ文学に興味を抱き、様々な著作や翻訳を手掛けました。彼の献身的な研究活動は、自身が抱える病気に苦しみながらも続けられ、彼の業績は高く評価されています。志賀の作品は、アメリカ文学の流れや思想を日本に紹介する重要な役割を果たしました。

著書

志賀の著作は多岐にわたり、アメリカ文学の研究書や評論が中心となっています。1935年に出版された『現代英米文学の研究』は、彼の名を広める作品となりました。また、1939年には『アメリカ文芸思潮』を著し、アメリカ文学の各種潮流を解説しています。その他にも、ロレンスに関する研究や、文学と信念をテーマにした作品も手掛けています。

彼が著した『アメリカ文学史』（1947年）は、アメリカ文学の成り立ちを詳しく解説し、研究者や学生にとって貴重な資料となっています。また、彼の名著『アメリカ文学手帖』（1948年）には、アメリカ文学の様々な側面が収められています。さらに、1954年には『アメリカ文学の成長』という著作を通じて、アメリカ文学がどのように発展してきたのかを探求しました。

翻訳活動

志賀勝はただの著述活動にとどまらず、優れた翻訳者としても知られています。彼が翻訳した作品には、ユージン・オニイルの『ダイナモ』（1931年）や、ウォルト・ホイットマンの『民主主義展望』（1949年）があり、これらの作品を通じて、アメリカ文学の重要なテキストを日本に紹介しました。特に、エマソンやソーローの著作を翻訳したことにより、アメリカの思想や文化を広く伝えることに成功しました。

共著・編著

志賀の功績は単独の著作に限らず、共著や編著においても顕著です。1948年には、荒川竜彦や西村孝次との共著で『アメリカ文学の形成』を刊行しています。この書籍は、アメリカ文学の基礎的な構造を探る試みとして評価されています。また、1954年には、彼の研究成果が提示された『ヘミングウェイ研究』も出版され、アメリカ文学の研究に貢献しました。

記念論集

志賀勝の影響力を後世に伝えるため、1956年に『志賀勝先生追悼論文集』が関西学院大学文学部英米文学会によって発行されました。この論集には、彼の学問的業績に対する感謝と尊敬の念が込められています。

志賀勝は、アメリカ文学の研究とその普及に大きな足跡を残した学者であり、彼の業績は今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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