志賀重就

志賀重就の生涯

志賀重就（しが しげなり）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活動した武士であり、詳細な生没年は不明です。彼の旧姓は西村で、通称は左馬允（または左馬助）、後に与三右衛門尉と名乗りました。彼の存在は、特に江戸幕府が記録した文書によって確認されています。寛永4年（1627年）の『讃岐伊予土佐阿波探索書』には、重就が「年七十ばかり」と記載されており、これは彼が弘治から永禄の初期である1550年代後半に生まれたことを示唆しています。

重就は元々、六角氏の家臣として仕官していましたが、その後、蒲生氏郷に転仕しました。天正11年（1583年）には、氏郷からの判物に「西村左馬」との名義で記され、近江国神崎郡岡田村に100石を与えられたことが記録されています。

しかし、その後の出来事によって重就の運命は変わります。天正15年（1587年）には、岩石城攻めにおいて氏郷からの抜け駆けを咎められ、追放されてしまいました。しかし、細川忠興の仲介により氏郷の元に復帰を希望し、相撲を取ることを条件に赦しを求めました。そこで重就は氏郷に2度連続して勝利し、その気概が評価されたことで、追放前以上に加増され、名誉を回復しました。会津へ移封された重就は、文禄3年（1594年）以前に「志賀与三右衛門尉」との称号を名乗るようになります。彼はその後、蒲生秀行の時代に宇都宮に移任されましたが、浪人生活を経て上杉景勝に仕官しました。

関ヶ原の戦い後、秀行が会津に戻ると、重就は再び秀行に仕え、息子と共に4,300石を与えられました。元和5年（1619年）には、蒲生忠郷の時代に福島正則が改易されたことを受け、江戸の藩邸接収のために派遣されました。その後、蒲生忠知の代に伊予松山に移封され、重就は3,000石を与えられました。

寛永5年（1628年）には家老に任命されるものの、重臣の一人である蒲生郷喜を排除しようとしたことで周囲の重臣と御家騒動を引き起こし、最終的に江戸幕府から罰せられ追放されることとなりました。このような波乱に満ちた生涯を送った志賀重就の足跡は、日本の歴史の中で特有のものと言えるでしょう。彼の生涯は、武士としての誇りと、時代の変化に翻弄された人間性を象徴しています。

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