応急危険度判定士

応急危険度判定士とは

応急危険度判定士とは、大規模な災害、主に地震やその余震の影響を受けた建物の点検を行い、さらなる倒壊の危険や外部からの落下物のリスクを評価する資格を持つ専門家です。その役割は、災害後の二次的な危険から人命を守るための判断を行うことです。

役割と重要性

この職務に就く応急危険度判定士は、被災した地域の災害対策本部から依頼を受け、ボランティアとして建物の状況を評価します。彼らは、建築物の外観を目視で確認し、状態を判定します。その判断は「調査済」（緑）、「要注意」（黄）、「危険」（赤）の3段階に分類されることで、一般市民に状況を理解しやすく伝えます。「危険」と判定された場合は、該当の建物は立入禁止となり、住民救助や避難誘導のための重要な役割を果たします。

資格取得の要件

応急危険度判定士として活動するためには、いくつかの要件があります。まず、建築士法に定められた建築士であり、一級、二級、木造建築士のいずれかの資格を持っていることが必要です。また、施工管理技士も対象となっています。さらに、各都道府県に居住または勤務していることと、判定士に必要な養成講習を修了することも条件です。

実施プロセス

判定士は、通常、2人1組で活動し、築物の外部の状態を確認しながら判定を行います。調査結果は、指定された色のプレートで建物に掲示され、住民や一般の人々に危険度を周知します。これにより、住民は適切な対応をとることが可能となります。

統計

2009年3月時点で、日本全国には応急危険度判定士が102,610人存在しており、災害時に重要な役割を果たしています。これにより、災害に強い地域づくりが進められています。

まとめ

応急危険度判定士は、災害時における建物の安全性を評価し、被災者が安心して生活できる環境を作り出すための欠かせない存在です。彼らの活動は、二次災害を防ぎ、災害後の復興に寄与する重要な意味を持っています。彼らの情報提供や判定に基づいて、住民は最適な行動を取れるようになります。また、全国被災建築物応急危険度判定協議会など、各地域での協力体制も整えられ、さらに効率的に災害対策が進められています。

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