快盗ルビイ

映画『快盗ルビイ』の紹介

『快盗ルビイ』は1988年11月12日に公開された、東宝によるコミカルなコメディー映画です。この作品は、小泉今日子が演じる加藤留美（通称ルビイ）と真田広之が演じる林徹の二人による、愉快でありながら少し危険な冒険を描いています。そして、この映画の根底には、愛情や成長の物語が織り込まれているのが魅力です。

原作とストーリー

原作はヘンリー・スレッサーの『快盗ルビイ・マーチンスン』ですが、映画版ではルビイは女性として描かれています。物語は、冴えないサラリーマン・林徹がスタイリストの加藤留美と出会うところから始まります。ルビイは自身が快盗であることを打ち明け、徹を犯罪の相棒にするという奇妙な展開が待ち受けています。果たして、彼らの犯罪計画はうまくいくのか、笑いと驚きの連続です。

コミカルな犯罪の数々

映画の中では、ルビイが仕掛けた詐欺や銀行強盗が次々と失敗する様子が描かれ、笑いを誘います。特に印象的なのは、乃木坂にある高級マンション「ザナドゥ」に忍び込もうとするシーンです。しかし、その計画が崩れ、林徹はトイレの鍵の壊れた浴室に閉じ込められてしまいます。ルビイは修理業者に変装して救出に向かうものの、その途中で繰り広げられるドタバタ劇がさらなる笑いを生み出します。

人間関係と感情の葛藤

物語は犯罪だけでなく、ルビイの恋人との関係や徹との友情も描写されており、深い感情の交流が見どころです。ルビイは前の恋人との別れの際に後悔し、手紙を取り戻すよう徹に頼みます。このところでの二人の距離感や心理の変化が、物語を一層ドラマティックにしています。そして、徹が手紙を盗んだ際に逮捕されるというアクシデントを通じて、結局はお互いの気持ちに気づくという展開が待っているのです。

スタッフとキャスト

この映画の監督および脚本を担当した和田誠は、シャープなセンスでコミカルな演出を展開しました。音楽を手がけた八木正生による楽曲も映画の雰囲気を引き立てています。また、主要キャストとして小泉今日子と真田広之が登場し、それぞれのキャラクターを見事に表現しています。脇役陣も魅力的で、特に林徹の母親役を演じた水野久美の存在感が際立ちます。

評価と受賞歴

『快盗ルビイ』はその評価も高く、第62回キネマ旬報ベスト・テンで第10位に輝きました。また、真田広之は主演男優賞を受賞するなど、多くの映画賞にノミネートされました。

映像ソフトと普及

この作品は家庭でも楽しめるように、ビデオやDVD、Blu-rayとして発売されています。特に、2017年には最新のデジタルリマスター版が登場し、新たな視聴体験が提供されています。

結論

『快盗ルビイ』は、コメディとアクション、恋愛が融合したエンターテイメントです。小泉今日子と真田広之のコンビが織りなす笑いと感動は、観る人々を魅了することでしょう。この映画を通じて、人生の喜びや大切な人との絆を再確認できるかもしれません。

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