忽敦

忽敦（こつとん）について

忽敦（クドゥン）は、生没年は不詳ながら元時代のモンゴル出身の武将で、日本侵攻の指揮を執ったことが歴史に記されています。詳細は『元史』や『高麗史』に残されており、彼の活動は日本と高麗の関係において興味深い側面を持っています。

経歴と日本侵攻

至元11年（1274年）の8月、忽敦は日本征討のために都元帥として高麗に派遣され、日本への侵攻を開始しました。これがいわゆる「文永の役」として知られています。彼は北九州に上陸しましたが、日本軍の防衛によって進撃を阻まれ、その後夜間に撤退せざるを得ませんでした。この撤退はさらなる困難に直面し、暴風雨の影響で大きな被害を被ることとなりました。

撤退後、忽敦は11月に高麗に戻り、12月には捕虜として得た約200人の少年少女を忠烈王夫妻に奴隷として献上しました。そして翌年の正月には元に帰還しました。彼のこの行動は、戦争の犠牲際しての無情さを象徴していると言えるでしょう。

軍事的背景と戦略

忽敦はおそらくモンゴル系の出身と考えられていますが、同時に漢文化の影響を受けていたことが見受けられます。『高麗史』における金方慶伝によると、高麗側の主将である金方慶が進軍するべきだという意見に対して、彼は『孫子』の兵法に基づいた意見を述べて撤兵の決断を下したのです。これにより彼の軍事的判断の一端が伺えます。

忻都との関係

弘安の役において元および高麗軍を率いた忻都は、文永の役の前から高麗で日本征服の準備を進めていました。しかし、忽敦は突然派遣され、総司令官に任命されました。この点から、日本の歴史研究者の中には両者を同一人物とみなす考え方もあるものの、実際にはさらなる検証が必要です。彼らの活動時期や背景には、今でも多くの謎が残っています。

結論

忽敦の歴史的役割は、日本侵攻という制約された状況の中で多くの困難に直面しつつも、その戦略や行動には注目すべき点があったことを示しています。彼の経歴は、当時のモンゴルと日本、高麗との関係を理解する上で重要な手がかりとなります。今後の研究によって、彼に関するさらなる真実が明らかになることが期待されます。

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