急進派共和党

急進派共和党について

急進派共和党（Radical Republican）は、アメリカ合衆国の政治史において、南北[[戦争]]前の1854年頃から始まり、レコンストラクションが終わる1877年までの時期に活躍した共和党の一派です。この派閥は、奴隷制度に強く反対し、エイブラハム・リンカーン政権の中道派や保守派と対抗し、また南部の保守派や北部のリベラル派とも闘いました。その活動は、解放奴隷の公民権や選挙権の確保、元アメリカ連合国支持者に対する厳しい政策を要求するものでした。

戦時中の活動

南北[[戦争]]の最中、急進派はリンカーンの戦争政策に対して批判を強め、特に奴隷解放に関する速度や内容について不満を抱いていました。リンカーンは議会で急進派のメンバーを重用し、様々な派閥から支持を受けていましたが、彼らの攻撃的な戦争方針には懐疑的でした。1864年、急進派は独自のレコンストラクション計画を提案しましたが、リンカーンはこれを拒否し、彼の政策が継続的に実行されることとなります。

急進派の主導者であるタデウス・スティーブンスやチャールズ・サムナーは、奴隷制度を終わらせ、一方で連合国の復権に対する戦略を強化するよう求めました。彼らは、解放奴隷に対して積極的な権利を保障する法律の制定を目指しました。

レコンストラクション政策

1865年にリンカーンが暗殺されると、アンドリュー・ジョンソンが大統領に就任します。急進派は初めこそ彼を支持しましたが、次第に彼の政策との対立が深まりました。彼のレコンストラクション政策に対する急進派の不満は高まり、彼らはジョンソンの条項を否決し、1866年の中間選挙では急進派が議会の主導権を握ることになります。この過程で、公民権法や選挙法の改正が進められ、黒人に対する選挙権の拡大が求められました。

ジョンソンとの対立

ジョンソンは急進派と対立し、その政権下で数回の拒否権行使を行います。しかし、急進派はこれを覆す力を持ち、ジョンソンの権限を弱体化させようとしました。彼らはジョンソンの弾劾を試みるも、上院での決議は1票差で否決されました。

グラントの支持と分裂

ユリシーズ・グラントは急進派の支持で大統領に選出され、急進派の公民権の推進を受け入れました。しかし、1872年の選挙では急進派の分裂が顕在化し、リベラル派共和党と急進派の対立が深まります。急進派は次第に少数派となり、南部州から共和党の支持が失われていきました。

終焉とその後の評価

1877年には、南部の州が次第に共和党から権力を奪い、急進派の時代は終焉を迎えます。急進派には教育や公共インフラの創設という重要な役割がありましたが、その腐敗や政策の失敗により評価は分かれることになります。

歴史学者たちは急進派の役割に関して、解放奴隷の権利促進や公民権の運動を高く評価する一方で、当時の政治腐敗についても指摘しています。急進派共和党は、歴史の中で重要な役割を果たしつつ、その求道的な闘争が後のアメリカにどのような影響を与えたのか、今なお研究の対象となっています。

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