恋のしずく

恋のしずく

「恋のしずく」（こいのしずく）は、日本の歌手、伊東ゆかり氏によって歌われた楽曲で、1968年1月20日にシングルとして発売されました。前年1967年に大ヒットを記録した「小指の想い出」に続くシングルとして発表され、伊東ゆかり氏のキャリアを代表する重要な一曲となりました。

この楽曲の作詞は安井かずみ氏、作曲は平尾昌晃氏が手掛けており、両氏とも伊東ゆかり氏とは数多くのヒット曲でタッグを組んでいます。編曲は森岡賢一郎氏が担当しました。シングルには表題曲である「恋のしずく」と、B面には同じく安井かずみ氏作詞、平尾昌晃氏作曲、森岡賢一郎氏編曲による「あなたの言った言葉」が収録されています。「恋のしずく」の演奏時間は03分27秒、「あなたの言った言葉」は03分24秒となっています。

発売後のセールスは非常に好調で、特にオリコンチャートにおいては目覚ましい記録を樹立しました。シングルリリースからわずか1ヶ月あまりという短期間でチャートの首位に到達し、そこから4週連続でトップの座を維持しました。この「恋のしずく」によるオリコンチャート1位獲得は、当時のオリコンチャート史上初めて、女性アーティストが単独名義で首位を獲得した記念すべき出来事でした。その後、小川知子氏の「ゆうべの秘密」や、世界的にヒットしていたビー・ジーズの「マサチューセッツ」といった強敵に一時的に首位の座を明け渡す場面もありましたが、見事に再びオリコンチャートのトップへと返り咲く強さを見せました。結果として、「恋のしずく」は1968年の年間オリコンシングルチャートにおいて、堂々の第5位にランクインするという大きな成功を収めています。

楽曲の芸術性やアレンジも高く評価され、1968年末に開催された「第10回日本レコード大賞」では、この楽曲の編曲を担当した森岡賢一郎氏が見事、編曲賞を受賞しました。また、伊東ゆかり氏自身も、この楽曲の大ヒットを受けて、同年の大晦日に放送された「第19回NHK紅白歌合戦」に出場を果たしました。これは彼女にとって、6年連続6回目の紅白歌合戦への出場となりました。

「恋のしずく」は発表後も長く愛され、様々なアーティストによってカバーされています。代表的な例としては、1969年3月5日に発売された西田佐知子氏のアルバム「西田佐知子 恋を唄う」への収録や、1991年12月16日に発売されたMi-Keのアルバム「懐かしのブルーライトヨコハマ ヨコスカ」でのカバーなどが挙げられます。特に西田佐知子氏によるカバーは、後のCD-BOX「西田佐知子歌謡大全集」にも収められています。

1968年という時代を彩った楽曲として、日本の歌謡史において重要な位置を占める「恋のしずく」は、伊東ゆかり氏の代表曲としてだけでなく、オリコンチャートの歴史における特筆すべき一曲としても記憶されています。

関連項目

1968年の音楽
西田佐知子歌謡大全集

外部リンク

* 恋のしずく - 歌ネット

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