恍惚のブルース

恍惚のブルース: 青江三奈の歴史的デビューシングル

「恍惚のブルース」は、1966年6月21日に青江三奈がリリースしたシングルであり、彼女のキャリアのスタートを飾る重要な作品です。この曲は、原盤番号SV-416で発売され、その後、歌手としての青江三奈の道を開くきっかけとなりました。

作曲と作詞の背景

この曲の作詞は川内康範が手掛け、作曲は浜口庫之助、さらに編曲は寺岡真三が担当しています。その音楽スタイルはヘ長調で、情熱的なメロディーが特徴です。この楽曲は、かつて銀座のバーでクラブ歌手をしていた井原静子（本名）が、作詞家の川内康範から「青江三奈」の名前を借りることで誕生しました。川内は当時、「週刊新潮」に連載していた小説『恍惚』に彼女のキャラクターを基にしたヒロインを描いており、それが青江のデビューを助けました。

ヒットとその後

「恍惚のブルース」は、青江三奈のデビュー曲として、発売直後から約80万枚を売り上げる大ヒットとなりました。彼女は、1966年の大晦日放送の『第17回NHK紅白歌合戦』にこの曲で出場し、その存在感を示しました。この初出場は、彼女にとって特別な瞬間となり、以後のキャリアの基盤を築くこととなります。

その後も彼女は数回にわたり紅白歌合戦に出演し、1990年の大晦日には、故・浜口庫之助を偲ぶ形で24年ぶりにこの曲を再度披露しました。この特別な出番は、観客にとっても感動的な瞬間となり、青江三奈の音楽の魅力を再確認させるものでした。しかし、このパフォーマンスが彼女にとって最後の紅白出場となることになります。

生涯と遺産

青江三奈は、2000年7月2日に膵臓癌により54歳で他界しましたが、彼女の音楽は今でも多くの人々に愛されています。楽曲「ひと知れぬ愛」はB面曲で、こちらもヘ長調という特徴を持っています。この曲は、レコードと歌詞カードで微妙な違いがあるため、興味深い点です。

彼女の影響は、その後多くのアーティストに波及し、田端義夫、森進一、ちあきなおみ、藤圭子、美空ひばりなど、様々な人気歌手がカバーを行っています。例えば、1970年から1977年の間に多くの歌手がこの曲を取り上げ、彼女のスタイルやメッセージを継承し続けました。

収録曲と作品コード

「恍惚のブルース」と「ひと知れぬ愛」は、リズム・ミュージック・パブリッシャーにより出版され、いずれの作品もJASRACに登録されています。特に、「恍惚のブルース」の作品コードは031-0169-0であり、これによって楽曲の権利が保護されています。

これらの楽曲は、青江三奈の音楽キャリアの象徴であり、今後も彼女の名前は日本の音楽史の中で輝き続けることになるでしょう。

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