恩任寺

恩任寺（おんにんじ）

恩任寺は愛知県高浜市青木町に位置する真宗大谷派に属する寺院で、山号は石川山、そして本尊には阿弥陀如来を祀っています。本寺は衣浦湾に近い高浜市南西部にあり、東側には旧道が通っており、この道は三州高浜鬼みちのルートとして知られています。

歴史

恩任寺の建立年代ははっきりしていませんが、もともとは天台宗の寺院で、当初は西湖山竜現寺という名称で呼ばれていました。この寺院の歴史は、桜井城（現在の安城市）の城主、石川信国が出家して親鸞の弟子となったことから始まります。彼は嘉禎年間（1235年～1238年）に浄土真宗に改宗しました。さらに、文明13年（1481年）には中興の祖である石川道証が現在の本堂を再建しました。

高浜の恩任寺、高取の専修坊、大浜の西方寺は、浄土真宗において「浜の三か寺」と称される重要な寺院です。この「浜の三か寺」は、三河地方の名刹の末寺を意味し、恩任寺は本證寺の末寺、専修坊は上宮寺の末寺、そして西方寺は勝鬘寺の末寺とみなされています。近年の2022年から2024年までの2年間には、本堂や山門、太鼓堂、鐘楼などの建造物に対し、測量や写真撮影を行う建造物調査が実施されています。

境内の見どころ

本堂

本堂は文明13年（1481年）に建立されたもので、浄土真宗の信仰の中心的な場所となっています。

山門

本瓦葺の山門もある特徴的な建物で、特に他にはあまり見られない下向きの鬼面が施された鬼瓦があることが珍しいとされています。さらに、恩任寺の家紋は笹林戸紋ですが、12代住職の観嶺の出身家である菅原家の梅鉢紋も用いられており、山門の門扉にはその梅鉢紋の彫刻が見受けられます。

太鼓楼

本瓦葺の太鼓楼も名物であり、大浜の西方寺も同様の太鼓堂を有しています。

鐘楼

寺院の境内には鐘楼も設置されています。

文化財

恩任寺には市指定文化財も存在し、特に平安時代後期に制作されたとされる木造阿弥陀如来立像があります。この像は一木造りで、彫眼が施されています。

現地情報

• - 所在地: 444-1325 愛知県高浜市青木町2丁目1-33
• - アクセス: 名鉄三河線三河高浜駅から徒歩約10分

地域の歴史や文化に深く根付いた恩任寺は、訪れる人々に静かなひと時と心の安らぎをもたらしてくれる場所です。

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