恵安 (企業)

恵安株式会社の事業概要と不祥事について

恵安株式会社（けいあん、英語: KEIAN）は日本の電子機器卸売企業で、主にパソコンの周辺機器、輸入業、ソフトウェア開発など、多岐にわたる事業を展開しています。特に、中国製の製品を中心にOEMとして販売を行っており、デジタルフォトフレームやノートパソコン、モニター、スマートフォンアクセサリーなど、多様な製品ラインを持っています。

教育用タブレット端末の不具合

2014年、佐賀県武雄市では小中学校向けに教育用のAndroid搭載タブレット端末を導入する計画が進められていました。その中でも恵安の「M716-PS」（子供向け7インチモデル）と「M1049S-PS」（中学生向け10インチモデル）が採用されました。しかし、小学校用のM716-PSモデルでは導入直後から様々な不具合が相次ぎ、液晶ディスプレイが破損したり、電源が入らない、再起動が繰り返されるなどの問題が発生しました。

初期に導入された3153台のうち287台に何らかの不良があり、不具合率は9パーセントに達しました。これに対して中学校用モデルは、高性能であるためか、大きな問題は見られませんでしたが、この不具合によって教育現場は混乱をきたしました。

武雄市の反応

このタブレット導入計画には、市の税金から約1億2000万円が投じられています。この金額には、システムやサーバーの構築費用も含まれています。タブレット端末一台あたりのコストは約1万8000円ですが、全体の31.5パーセントにあたる費用が端末購入に使用されているに過ぎません。市民の中からは、中国製の商品購入によって税金が浪費されるのではないかという懸念や、より高いスペックを持つ製品を導入すべきではなかったかという意見が寄せられました。

この問題を受け、記者が恵安に対し今後の対応について訪ねたところ、同社からは「恐れ入りますが、ご質問にはお答えできません」との状況でした。

その他の不祥事

恵安は過去にも問題を抱えていました。2009年には、同社が発売したSSDにコンピュータウイルスが感染している可能性が浮上しました。また、2010年から2011年にかけて販売したLEDランプについては、パッケージに記載された明るさの数値が実際と著しく異なっているとして、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令が下されました。さらに、2017年に発売したノートPC（KBM14HD）にはマルウェアが混入していることが発覚し、製品回収が実施され、後に修正ファームウェアが適用された改良版が販売されました。

終わりに

恵安株式会社は、電子機器分野で多岐にわたるビジネスを展開していますが、品質管理や顧客信頼にも大きな課題を抱えています。今後の対応次第では、その信頼回復に向けた試練が続くことでしょう。

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