悟道軒圓玉

悟道軒 圓玉という名跡

悟道軒 圓玉（ごどうけん えんぎょく）は、非常に歴史深い講談師の名跡です。この名跡は、その名を受け継ぐものたちによって、日本の伝統芸能である講談の発展に寄与してきました。ここでは、初代と二代目のそれぞれのプロフィールや業績について詳しく見ていきます。

初代 悟道軒 圓玉

初代の悟道軒 圓玉は、慶応2年11月16日（1866年12月22日）に江戸で生まれ、本名は浪上義三郎です。彼は後に、戸籍名では浪上儀三郎と表記されます。16歳という若さで講談の世界に足を踏み入れ、二代目松林伯圓の弟子として伯義の名を名乗り始めました。1889年には五代目松林圓玉を名乗るものの、病気がちで人気には恵まれませんでした。

その後、彼は悟道軒圓玉を名乗るようになり、講談の書き起こしにシフトすることで数多くの講談筆記や創作講談を残しました。彼の講談は、単なる話の伝授だけでなく、文学としての価値も高く評価されています。特に川口松太郎との関わりが印象深く、1919年から彼の家に住み込み、松太郎は師匠の口述を筆記し、同時に自身の文学教養を深めていきました。初代悟道軒圓玉は1940年に74歳で没し、その墓所は江東区の心行寺にあります。

二代目 悟道軒 圓玉

二代目の悟道軒 圓玉は、1942年12月28日に川越市に生まれました。彼は県立川越工業高校を卒業後、富士重工に勤務していましたが、講談界の重鎮である服部伸の芸を聴いたことから講談師の道へ進むことを決意しました。1963年に十二代目田辺南鶴に入門して、田辺南洲の名を名乗り、1968年にはその後師匠の預かり弟子となりました。二代目悟道軒 圓玉は1969年に二つ目昇進し、その後すぐに1973年に史上最年少で芸術祭大衆芸能部門の優秀賞を受賞するなど、若き才能を発揮します。

1994年には交通事故に遭い、脳死状態となりましたが、リハビリを経て高座に復帰し、多くのファンを再び魅了しました。彼はその後も多くの講談公演を行い、講談界の中での影響力を強めていきました。

講談という文化

講談は、日本古来の narrative storytelling の一つで、演者が話し手となり、物語を語る形式の芸能です。講談師は、ストーリーテリングの技術だけでなく、観客とのコミュニケーション能力や表現力も求められます。悟道軒 圓玉の名跡は、そのような講談の文化を継承し、進化させていく役割を持っています。

終わりに

悟道軒 圓玉は、初代と二代目を通じて、それぞれの時代における講談の魅力を広め、深い人間ドラマや文化を次世代にも伝えていく重要な存在です。今後もこの名跡がどのように講談界で発展していくのか、期待が寄せられています。

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