悪いこと

テレビドラマ『悪いこと』の概要

『悪いこと』は、1992年の春から秋にかけて、フジテレビにて深夜に放送されたオムニバス形式のドラマシリーズです。本作は、日常生活の中に潜む悪意や不安をテーマにしており、視聴者に考えさせるストーリー展開を特徴としています。演出は『世にも奇妙な物語』などでも知られる落合正幸が担当し、その独特の視点で描かれています。

特徴とテーマ

このドラマの最大の特徴は、殺人や暴力といった直接的な悪事ではなく、人間の内面にある黒い感情や思惑を描写している点です。視聴者は、身近な存在である人々が抱える思いに触れることで、思わぬ悪意に直面することになります。全ての話がハッピーエンドを迎えることなく、終わる場面も特徴的です。これは、心の奥底に潜む人間の冷酷さを鋭く浮き彫りにするための演出と言えるでしょう。

放送の経緯

最初の放送は1992年4月16日に始まり、その後1992年9月24日まで続きました。各エピソードは1話完結型で、多様なテーマが展開されました。シリーズ終了後も、1998年には『金曜エンタテイメント』枠で2時間スペシャル版が放送されるなど、再評価がされています。さらに、『悪いこと2』が製作される予定でしたが、こちらはお蔵入りとなってしまいます。

2010年12月1日には、BSフジで全国的に初めての放送が行われ、多くの新しい視聴者にこの作品が再紹介されることとなりました。

出演者とスタッフ

このシリーズには、爆笑問題の太田光と田中裕二が特別出演するなど、話題性がありました。太田光は第6話『確率』に出演し、脚本も手掛けています。また、田中裕二は第10話『黙殺』に登場しました。これらのキャスティングが、ドラマの独自性をより強調しています。

スタッフとしては、プロデューサーに清水賢治、石原隆が名を連ね、脚本には高山直也や小林竜雄などが参加。この多彩なスタッフ陣が、作品のクオリティを高める要因となっています。

各エピソードのサブタイトル及び出演者

1. 雨 - 大杉漣、風祭ゆき
2. 盗む女 - 大山薫、植田あつき
3. 銃声 - 高杉亘、佐戸井けん太
4. 放課後 - 細川直美、岡田秀樹
5. 距離 - 池田昌子、山口仁
6. 確率 - 太田光、戸川京子
7. 表裏 - 大路恵美、加山由実
8. 歯医者 - 中村れい子、中丸新将
9. 秘訣 - 螢雪次朗
10. 黙殺 - 田中裕二、平泉成
11. 声 - 小須田康人
12. 道徳 - 入江雅人
13. 乗客 - 西田健
14. 形態 - 五島悦子
15. 国境 - 大島信一
16. 鏡 - 相川恵里
17. 啓示 - 松田ケイジ
18. 安息 - ベンガル
19. 路上 - アルメイダ・ジョアリ
20. 真相 - 西村雅彦ナビゲートのもとで

まとめ

『悪いこと』は、その独特なテーマと演出により、視聴者に深い印象を与えた作品です。人々の心の中に潜む暗い側面がリアルに描かれ、観る者を惹きつけます。これにより、ドラマはただの表面的なエンターテインメントを超えた、思索を促す内容となっているのです。

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