悪の花園

映画『悪の花園』解説

『悪の花園』（原題：Garden of Evil）は、1954年に公開されたアメリカ合衆国の西部劇映画です。監督はヘンリー・ハサウェイ、音楽は映画音楽の巨匠バーナード・ハーマンが担当しました。

あらすじ

物語は、カリフォルニアを目指していたフッカー、フィスク、デイリーの3人の流れ者が、ひょんなことからメキシコの小さな町ミゲルに立ち寄る場面から始まります。酒場で酒を飲んでいると、リア・フラーという女性が現れ、落盤事故で金鉱に閉じ込められた夫の救出を依頼します。彼女は、救出に成功すれば高額な謝礼を支払うと約束します。

一攫千金を狙うフッカーたちは、メキシコ人のヴィセンテを加え、危険な道のりを経て金鉱へと向かいます。道中、彼らは破壊された村を発見し、アパッチ族の痕跡を見つけます。リアは、金鉱が過去の火山の噴火によって埋まっていることを告白します。金鉱に到着した一行は、リアの夫ジョンを救出し、手当を施します。しかし、先住民が迫っていることを知った彼らは、脱出の準備を始めます。

リアは、自分が残って先住民を引きつけると言いますが、フッカーは彼女を連れて逃げることを決意します。逃避行の途中、デイリーはジョンと口論となり、彼を馬に乗せて逃がしてしまいます。直後、デイリーは先住民の矢に射抜かれ、命を落とします。ジョンを探していた一行は、十字架に逆さ吊りにされた彼の遺体を発見します。フッカーはリアを慰め、埋葬します。

翌日、一行は先住民の襲撃を受け、ヴィセンテが犠牲となります。残されたフッカー、フィスク、リアは、反撃しながら逃げ続けます。フッカーは、自分が残って先住民を食い止めるから、フィスクとリアを逃がそうと提案しますが、フィスクは賭けで誰が残るかを決めようと言い出します。結果としてフィスクが残ることになりますが、フッカーはフィスクがイカサマをしたことを見抜いていました。フッカーはリアを安全な場所に送り届けた後、フィスクの元へ戻ります。

フィスクは多くの先住民を倒していましたが、自身もまた矢に射抜かれ、瀕死の状態でした。彼はフッカーに、リアと共に故郷へ帰るように言い残し、息を引き取ります。フッカーはフィスクに別れを告げ、夕日の中、リアと共に帰路につくのでした。

キャスト

フッカー：ゲイリー・クーパー
リア・フラー：スーザン・ヘイワード
フィスク：リチャード・ウィドマーク
デイリー：ヒュー・マーロウ
ヴィセンテ：ヴィクター・マヌエル・メンドーサ

スタッフ

監督：ヘンリー・ハサウェイ
製作：チャールズ・ブラケット
脚本：フランク・フェントン
原案：フレッド・フリーバーガー、ウィリアム・タンバーグ
撮影：ミルトン・R・クラスナー、ホルヘ・スタール・Jr
音楽：バーナード・ハーマン
編集：ジェームズ・B・クラーク

作品の魅力

『悪の花園』は、美しいメキシコの風景を背景に、人間の欲望、裏切り、そして愛を描いた作品です。ゲイリー・クーパー、スーザン・ヘイワード、リチャード・ウィドマークといった名優たちの演技も見どころです。手に汗握るアクションシーンと、予測不能なストーリー展開で、観る者を最後まで飽きさせません。

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