悪魔のKISS

悪魔のKISS

『悪魔のKISS』（あくまのキス）は、1993年にフジテレビの「水曜劇場」で放送された全12話のテレビドラマです。この作品では、静岡県焼津市から東京に上京した3人の中学時代の同級生、みさを（奥山佳恵）、幸子（深津絵里）、茉莉子（常盤貴子）が中心となって物語が展開されます。彼女たちは、性地獄・宗教地獄・借金地獄といった様々な困難に直面し、その渦に巻き込まれていきます。

キャッチコピーである「悪魔のような誘惑が、はたちの夢を狂わせる。」は、このドラマのテーマを端的に表現しています。彼女たちの物語は、若者が夢を追いかける中で直面する厳しい現実や誘惑を描写しています。

物語の詳細

主要キャラクターと彼女たちの運命

• - 斉藤みさを (奥山佳恵)

京王観光の売店で働きながら美大進学を目指すみさをは、父の病気で夢を断念します。再会した幸子の紹介で絵本作家のアシスタントになるが、彼女の実態や周囲の嫉妬に悩まされます。最終的には、夢を守るために立ち向かう姿勢が描かれています。そして1年後、再び美大に通い始めます。

• - 朝倉幸子 (深津絵里)

幸子は出版社に務める電話交換手で、おとなしい性格を持つ彼女が新興宗教に引き込まれる様子が描かれています。自らの恋愛や家族の問題に苦しむ幸子は、最終的には母親と弁当屋を開業することで新たなスタートを切ります。

• - 柘茉莉子 (常盤貴子)

茉莉子は多額のショッピングによって借金地獄に陥り、ファッションヘルスでの仕事を始めます。彼女の恋愛や仕事のトラブル、覚醒剤に手を出す悲劇的な経過が描かれていますが、困難を経て女優になる夢をかなえる姿が感動的です。

作品の意義

『悪魔のKISS』は、特に当時の若者たちに強いメッセージを伝える作品となっています。誘惑や困難が次々と押し寄せる中でも、自分の夢を追いかけ続けることの大切さが描かれ、視聴者に深い印象を残しました。個々のキャラクターが直面する問題は普遍的なテーマであり、そのため多くの人々が共感できたことでしょう。

放送と評価

このドラマは1993年の夏に放送され、当時の視聴者から強く支持を受けました。常盤貴子の体当たり演技や、ストーリーの重層的な展開は高く評価されました。また、DVDやオンデマンド配信が行われていないため、当時の視聴者にとってかなり貴重な作品として記憶に残っています。

スタッフと音楽

脚本は吉田紀子が担当し、主題歌にはサザンオールスターズの「エロティカ・セブン」が使用されました。音楽はドラマの雰囲気を引き立て、多くの視聴者に印象づけました。

このように、『悪魔のKISS』は単なるエンターテインメント作品としてではなく、若者の夢や人間関係の現実を問い直す作品として今日でも語り継がれています。

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