情報局

情報局

概要

情報局は、第二次世界大戦の真っ只中である1940年に設立された、日本の内閣直属の情報機関です。主な目的は、戦争に向けた世論形成や、プロパガンダ、思想の取り締まりを強化することでした。この機関は、内閣情報部や外務省情報部、陸軍省情報部、海軍省の軍事普及部をはじめとする複数の省の情報業務を一元的に統合し、情報の収集、検閲、および国民への宣伝を行いました。職員は、情報官を含む55名と89名の属官、合計144名が在籍しました。

設立の経緯

情報局の設立は、1932年の満州国建国に伴い、日本に対する国際的な非難が高まったことに始まります。この流れの中で、外務省は戦後の外交戦略を見直す必要に迫られ、陸軍と外務省の連携を図る「時局同志会」が設立されました。この同志会を基に、1936年には内閣情報委員会が形成され、国内の言論統制や情報発信を行う機関としての役割を果たしました。

その後、1937年には内閣情報部と改名され、外部への情報収集と統制の強化が進められました。この過程で、1939年には国民に対する宣伝活動も強化され、マスコミと文化人に対する統制が図られました。

組織と任務

情報局は1940年に設立された後、内閣情報部と各省の情報部門を統合し、より強力な情報機関として機能しました。トップには、内閣によって任命された総裁が置かれ、その下に次長を含む各部門が設置されました。各部門は情報蒐集、報道、対外宣伝、検閲、文化活動の指導を担っていました。特に第二部は報道・言論統制に重要な役割を果たし、全国の新聞社や出版社に対する影響力を拡大しました。

プロパガンダと検閲

情報局は、戦争を支持する世論の形成を目指し、さまざまなプロパガンダ活動を展開しました。映画、演劇、音楽などの文化活動を通じて国民の意識を操る一方で、マスコミに対する厳しい言論統制を実施しました。検閲業務を通じて、特に反戦的な意見や報道が排除され、国民に対して一方的な情報が提供されました。

戦後の処理

終戦後、情報局が関与した文書や資料は多くが処分され、特に戦意高揚を目的とした映画や作品はGHQにより没収されました。戦後、多くの文壇や画壇の関係者が戦争協力者として追及されたものの、情報局での活動が強制されたものだと主張し、責任を否定するケースが多く見受けられました。

最終的には、1945年12月31日に情報局は廃止され、その活動は歴史の一部として残されることとなりました。このように、日本の近現代史において、情報局は言論統制とプロパガンダの象徴的な存在として位置付けられています。

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