想い出の旅路

アレサ・フランクリン『想い出の旅路』

音楽界の巨星、アレサ・フランクリンが1981年にリリースしたアルバム『想い出の旅路』（原題：Love All the Hurt Away）は、アリスタ・レコードからの作品で、彼女のソウルフルなボーカルと新しいサウンドが見事に融合した一枚です。このアルバムは、フランクリンのキャリアの中でも重要な位置を占めており、数々の名曲が収められています。

アルバムの特徴と内容

このアルバムには、彼女自身のオリジナルの楽曲に加え、他のアーティストの名曲のカバーも含まれています。特に注目すべきは、タイトル曲となっている「想い出の旅路」や、ジョージ・ベンソンと共演した「ホールド・オン・アイム・カミン」です。「ホールド・オン・アイム・カミン」は、1966年にサム&デイヴによってヒットした楽曲のカバーであり、アレサの力強い歌声が印象的です。他にも、ローリング・ストーンズの「無情の世界」、ダイアナ・ロスの「今度は私」など、多彩なカバー曲が収録されています。

このアルバムに収められた楽曲は、どれもフランクリンのスピリチュアルな訴求力を体現しており、聴く者の心を掴みます。流行を取り入れながらも、彼女の独自のスタイルを失わず、1970年代から1980年代へと続く音楽の変遷を反映した作品となっています。

評価と反響

アルバムはアメリカのBillboard 200で36位、R&Bアルバムチャートでは4位にランクインしました。収録曲の「ホールド・オン・アイム・カミン」は、第24回グラミー賞で最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス賞を受賞し、その実力が認められました。

しかし、すべての評価が高かったわけではなく、音楽評論家のロン・ウィンはオールミュージックで5点満点中2点をつけ、「タイトル曲でのデュエットは良いが、全体的に期待外れ」と厳しい評価を下しました。一方で、ニューヨーク・タイムズのスティーヴン・ホールデンは、フランクリンのソウルフルな歌声と最新のサウンドの融合を称賛し、アルバムの完成度を高く評価しました。

収録曲リスト

アルバムには、以下のような曲が収録されています。

• - 想い出の旅路 - "Love All the Hurt Away" (Sam Dees) - 4:12
• - ホールド・オン・アイム・カミン - "Hold On I'm Comin'" (David Porter, Isaac Hayes) - 5:14
• - リヴィング・イン・ザ・ストリート - "Living in the Streets" (Rod Temperton) - 3:54
• - スター・フォー・エヴリワン - "There's a Star for Everyone" (Allee Willis, Don Yowell, David Lasley) - 4:27
• - 無情の世界 - "You Can't Always Get What You Want" (Mick Jagger, Keith Richards) - 5:19
• - 今度は私 - "It's My Turn" (Carole Bayer Sager, Michael Masser) - 5:29
• - トゥルース・アンド・オネスティ - "Truth and Honesty" (Burt Bacharach, C. B. Sager, Peter Allen) - 4:16
• - サーチ・オン - "Search On" (Chuck Jackson) - 4:48
• - たくさん愛して - "Whole Lot of Me" (Aretha Franklin) - 3:25
• - 男って - "Kind of Man" (A. Franklin) - 4:20

まとめ

アレサ・フランクリンの『想い出の旅路』は、彼女の音楽キャリアにおける重要な作品であり、多くの名曲が収められています。このアルバムは、聴く者に感動を与え、ソウル音楽の魅力を再確認させる作品となっています。音楽ファンにとって、このアルバムは聴いておくべき一品です。

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