愚か者

楽曲「愚か者」について

「愚か者」（おろかもの）は、1987年にリリースされた二人のアーティスト、近藤真彦と萩原健一の楽曲です。この曲は、当時ジャニーズ事務所に所属していた歌手・近藤と、ミュージシャンかつ俳優の萩原の競作という形で誕生しました。作詞は伊集院静（伊達歩）が担当した初期のものをもとに、萩原がその内容に不満を抱き、全てを書き直させたエピソードが語られています。後に彼は「最初の歌詞がイメージと異なると感じ、自ら案を口ずさんで、それを基に井上堯之が作り直してくれた」と述べています。これにより、萩原と井上が制作の中心を担ったことが特徴として挙げられます。

近藤真彦ヴァージョン

1987年1月1日、近藤真彦の22枚目のシングルとしてリリースされたこの曲は、当初から強い人気を誇りました。テレビ番組『ザ・ベストテン』では、1987年1月15日の放送で初めてランクインし、以降2月5日の放送で堂々の第1位を獲得しました。近藤の楽曲がこの番組で第1位になるのは、これが最後の機会となりました。また、1987年の年末に行われた『第38回NHK紅白歌合戦』でも、彼はこの曲を披露しました。

再発に関しては、1987年にリリースされたシングル「さすらい」や「泣いてみりゃいいじゃん」とともに、12月にはライブ・レコーディングとして『1987 LIVE SINGLES』に収録されています。さらに、1989年3月21日にはCBS・ソニーの20周年企画『Platinum Single SERIES』の一環として、カップリングが「さすらい」に変更された8cmCDも発売されました。2006年1月1日には、歌手デビュー25周年を記念した『マッチ箱 〜25th Anniversary Complete Singles Edition〜』にて、B面曲を含む形でマキシシングルとして復刻され、CD-BOXのみで販売されました。

収録曲（近藤真彦ヴァージョン）

• - 愚か者

作詞：伊達歩／作曲：井上堯之／編曲：戸塚修

• - KISS ME PLEASE

作詞・作曲：都志見隆／編曲：松下誠

萩原健一ヴァージョン

同じ曲に対する萩原健一のアプローチ、「愚か者よ」（おろかものよ）は、1987年1月21日に彼の16枚目のシングルとして発売されました。近藤ヴァージョンとの違いは、タイトルが変わり、歌詞の一部やキーの仕組み、編曲者が異なる点です。

収録曲（萩原健一ヴァージョン）

• - 愚か者よ

作詞：伊達歩／作曲・編曲：井上堯之

• - めぐり逢い

作詞：萩原健一／作曲：速水清司

カバー版

近藤真彦はこの曲をいくつかのアルバムでセルフカバーしています。具体的には、1996年にリリースされたアルバム『THE ROCK BEST』、2008年のシングル『BANKA 〜男たちの挽歌〜』、そして2015年のアルバム『三十五周年 近藤真彦×伊集院静=二十四曲』に収録されています。

終わりに

「愚か者」という楽曲は、近藤真彦と萩原健一のキャリアにおいて重要な位置を占めており、それぞれのアーティストの特徴が色濃く反映されています。楽曲の制作過程や、リリース後の成功は、今なお多くのファンに親しまれている理由の一つでしょう。

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