愛のカケラ (Every Little Thingの曲)

Every Little Thingが2000年10月18日にリリースした16枚目のシングル『愛のカケラ』は、グループにとって大きな転換期に発表された重要な作品です。前作『Rescue me/Smile Again|Rescue me_Smile Again』から4ヶ月ぶりのリリースであり、前作がリカットシングルであったため、本作は2人体制となって初のオリジナルシングルとなりました。

これまでアレンジを担当していた五十嵐充の脱退を受け、本作から4thアルバム『4 FORCE』までの期間、桑島幻矢がアレンジに携わっています（一部例外あり）。この変化は、Every Little Thingの音楽性に新たな風を吹き込むこととなりました。

『愛のカケラ』の歌詞は、当時の持田香織の心情が色濃く反映されています。五十嵐の脱退という出来事を受け、持田は「何が正解で、何をもって終わりとなるのか、本当に分からない」という迷いと、「本当に頑張っていきたい」という強い決意を抱いていたと語っています。この曲は、彼女自身の心の葛藤と希望が込められた、非常にパーソナルな作品と言えるでしょう。

この曲はオリコンチャートで最高2位を獲得し、累計売上は20.6万枚を記録しました。また、同年末のNHK紅白歌合戦にも出場し、西城秀樹と対戦（西城は「ブルースカイ ブルー」を歌唱）するなど、その人気を広く知らしめました。

作曲は多胡邦夫が担当しており、後年、若槻千夏も同じ作曲家による同名曲を発表していますが、曲自体は全く異なるものです。このように、同じ作曲家が同名異曲を作る例は珍しくありません。

シングルには、オリジナルバージョンの他に、複数のリミックスバージョンも収録されています。「愛のカケラ 〜Steppin' Hard Enough Mix〜」はSPASMがリミックス、「愛のカケラ 〜Cat Walk Mix〜」は春川仁志がリミックスを担当し、原曲とは異なる新たな魅力を引き出しています。また、インストゥルメンタルバージョンも収録されており、様々な角度からこの楽曲を楽しむことができます。

『愛のカケラ』は、以下のアルバムに収録されています。

『4 FORCE』
『Every Ballad Songs』
『Every Best Single 2』
『ACOUSTIC:LATTE』（アレンジ、新録音）
『Every Best Single 〜COMPLETE〜』
『Every Best Single 2 〜MORE COMPLETE〜』
* 『Every Best Single 2 〜Early period〜』

また、『愛のカケラ』は映像作品としてもリリースされています。2001年1月31日にはDVDシングルとVHSシングルが発売され、ビデオクリップ、TV-CM、メイキング映像が収録されました。シングルビデオとしては前作『Rescue me』以来となります。特にDVDにはメイキング映像が収録されており、楽曲制作の裏側を知ることができます。

『愛のカケラ』は、Every Little Thingの歴史の中で重要な位置を占める楽曲であり、グループの新たなスタートを象徴する作品として、多くのファンに愛され続けています。メンバーの脱退という困難を乗り越え、新たな音楽性を追求し始めた彼らの決意が感じられる一曲と言えるでしょう。

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