愛の死線

『愛の死線』は、1978年4月から7月にかけて日本テレビ系の「火曜劇場」枠で放送された連続ドラマです。全15回にわたり、運命的に出会った男女の愛と葛藤を描いています。

主人公の古山康夫は、韓国人の父と日本人の母を持つという複雑な出自を背負い、貧困と周囲の冷たい視線の中で生きてきました。一方、清沢信子は女子大卒のOLで、裕福な家庭に育ち、不自由なく過ごしてきた女性です。そんな二人が、ある夜、信子が暴漢に襲われそうになったところを康夫が救ったことをきっかけに出会います。

出自も育ちも全く異なる二人は、互いに惹かれ合い、愛を深めていきます。しかし、康夫の過去や社会の偏見が、二人の愛に影を落とします。信子の家族、特に父親は二人の交際に強く反対します。また、康夫自身も、過去の出来事から逃れることができず、苦悩します。

物語は、ソウルや済州島など韓国国内でもロケーション撮影が行われ、異国情緒あふれる映像がドラマを彩りました。美しい風景の中で繰り広げられる愛の物語は、視聴者の心を捉えました。

主要キャスト

古山康夫：北大路欣也
清沢信子：島田陽子
清沢友信：神山繁
斉藤町子：宮下順子
清沢寿子：白川由美
古山房江：赤木春恵
浜野正造：宍戸錠

スタッフ

脚本：石松愛弘、多勢尚一郎
演出：野末和夫
音楽：高橋五郎

『愛の死線』は、単なる恋愛ドラマではなく、社会的なテーマも盛り込まれた作品です。出自や貧困、偏見といった問題に触れながら、人間の愛と尊厳を描き出しています。二人の愛の行方はもちろん、彼らを取り巻く人々の人間模様も見どころです。当時の社会情勢や価値観を反映したドラマとして、今もなお語り継がれています。

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